元卓球日本代表の福原愛に対し、元夫で卓球選手の江宏傑が“子ども連れ去り”を訴えている騒動が急展開を見せた。
27日、江が来日して都内の日本外国特派員協会で緊急会見を開き、「日本の裁判所から福原に長男の引き渡し命令が出されたのに、福原が現在に至るまで応じていない」と涙ながらに告発したのだ。
福原と江は2016年に結婚し、2017年に長女、2019年に長男が誕生したが、2021年7月に離婚。
その後は江が台湾で子ども2人の面倒を見ていたが、昨年7月に福原が長男を日本へ連れ帰った。
当初は「夏休みの間だけ長男と過ごす」という約束だったそうだが、江は「福原が子どもを連れたまま連絡が取れなくなった」と主張。
「無断連れ去りか」と日台両国で騒ぎになったが、福原は「弁護士を通じて合意し、江さんは私が子どもを一時的に連れ帰ることを知っていた」とする声明を発表したことで一度は落ち着いた。
ところが、福原は長男を台湾へ戻すことなく、現在に至るまで1年にわたって日本で一緒に暮らし続けており、離婚前に「W不倫」疑惑が伝えられていた恋人の元大手商社マンと3人で過ごしている姿も報じられた。
江側の主張によると、福原から連絡を絶たれている状態だという。
江は、今年5月に長女から贈られた感謝カードをInstagramで公開した際、「君たちが会えるようにパパはがんばる」「長男を取り戻すためにがんばっている」などと、福原からの“長男奪還”を目指して動いていることを示唆。
法的措置にも乗り出したと報じられていたが、今回の会見でその実情が明かされた格好だ。
会見では、同席した大渕愛子弁護士が
「日本の裁判所において、福原愛さんから親権指定の審判申し立てがなされ、江さん側も子の引き渡しを求める審判を申し立て、緊急性があることから保全の命令を求める審判も申し立てた結果、1週間前の7月20日に福原さんに対して子の引き渡しを命ずる審判が出された」
と説明。
さらに
「通常の審判に加え、保全の命令も出された。
ただちに子を引き渡せという、余程のことがない限り、裁判所は認めてくれない審判。
福原さんはただちに子どもを引き渡す必要がある。
不服申し立てをするしないにかかわらず、引き渡しをする必要がある」
と状況を述べたうえで、福原側に子どもの引き渡しを求める連絡をしても「現在に至るまで応じるという連絡を受けていない」といい、「息子さんがどこにいるのかも分からず、大変不安に思っています」と江の思いを代弁した。
このまま福原が引き渡しをしないと強制執行のおそれがあるが、大渕弁護士は
「個人としては強制執行の方法は採りたくない。
日本の裁判所に従って、平和で安全な形で子どもを返してほしいと思ってます」
と呼びかけ、福原が引き渡しに応じた場合は「今後も子どもに会える」とした。
これを受けて、福原側の弁護士が
「外国人記者クラブにおいて、元妻の福原愛さんが『元夫による幼児誘拐で訴えられる』とのテーマで記者会見を開く計画であることを知りました。
福原愛さんと江宏傑さんの裁判は、現在、日本と台湾の新竹市の裁判所において家事事件が審理されています。
いずれの国の事件も家事事件であり、誘拐等の刑事事件は全くありません。
また、そのような刑事事件に当たる事実も全くありません」
などと声明を発表。
続けて
「新竹地方裁判所の裁判官は、2023年3月27日午前10時からの法廷において、この家事事件の内容を公にしないよう指示し、元夫の江氏も裁判官の指示に従う旨誓約しています。
福原愛も裁判所の指示に従う所存です」
などとつづり、会見で語られる内容は公にしていいものではないと抗議している。
もともと子どもたちは台湾で暮らしていたという生活実態も影響したのか、日本の裁判所から引き渡しの命令が出されたとなると、福原は「子ども連れ去り」とみられかねない状況にあるといえそうだ。
福原が不服申し立てをする可能性もあり、その是非についてはさまざまな見方があるが、間違いなく言えるのは、今回の騒動が不倫疑惑や離婚問題で騒がれてきた福原にとってさらなるダメージとなることだ。
先日、卓球の世界ツアー「ワールドテーブルテニス(WTT)」の女子ファイナルが12月に名古屋で開催されることが発表され、WTT JAPANのゼネラルマネジャーを務める福原は、「WTTシリーズ初めての日本開催が決定し、日本の卓球ファンの皆さまに、ようやくお伝えできることをとてもうれしく思います。大会本番まで精いっぱい準備をして参りますので、皆さま楽しみにしていただき、ぜひ会場まで足を運んでくださるとうれしいです」とコメントを発表していた。
抜群の知名度を生かし、大会に向けて広報的な役割も担うとみられていたが、今回の騒動によって表舞台に出るのが厳しくなった可能性がある。
今回の一件は国内のみならず海外からも問題視され、福原の立場が危うくなりかねないからだ。
日本は「単独親権」となっており、夫婦が別れた際などに片方の親が子どもを連れ去り、もう片方の親が会えないという問題が少なからず起きるが、現状ではこれを根本的に防ぐ法的規制はない。
一方で海外の先進国では離婚後も双方に親権がある「共同親権」が一般的であるため、国際結婚した夫婦や元夫婦の間では「子ども連れ去り」をめぐる問題が起きやすく、3月にはトラブル多発を受けてオーストラリア政府が日本の法務省に共同親権制度の導入を促す意見書を提出するなど、一部の諸外国からは日本の制度への批判が起きている。
台湾でも共同親権が認められており、福原と江に関しても離婚時に共同で親権を持つこと発表されていた。
今回の騒動は単独親権制度から生まれた問題ではないが、先述したように海外から日本における「子ども連れ去り」事案に大きな関心が集まっていることから、江の日本外国特派員協会での会見をきっかけに国際的な問題に発展する可能性もあると指摘されている。
また、福原は2021年に母校・青森山田高校の系列校である青森大学の客員准教授に就任したが、離婚のゴタゴタがあったせいか長らく講義をしなかった。
ある程度はほとぼりが冷めたからか、今年6月にようやく初講義が実現し、これから教壇に立つ機会も増えるかと思われていたが、こちらも現在進行形で大きなトラブルを抱えているとなるとどうなるか不透明だ。
いずれにしても、幼い姉と弟が親の勝手な都合で引き裂かれて別々に暮らしている現状は胸が痛む。
子どものことを第一に、できるだけ早期に解決してほしいが……。