エヴァがザリガニになった――。
フジミ模型(静岡市駿河区)を発表したプラモデル「アメリカザリガニ 初号機仕様/2号機仕様」が、インターネット上で注目を集めている。
これまで、多数のコラボ商品が販売されてきた「エヴァンゲリオン」。
今回は、「アメリカザリガニ」とコラボレーションするという。
商品の予約開始が伝えられると、ネット上では「なぜエヴァとザリガニが出会ってしまったのか」などの声が相次いでいる。
今回話題となったプラモデルは、フジミ模型が2021年7月21日までに予約を開始した商品。
発送は10月26日以降順次の予定だという。
公式サイトによれば、価格は税込み5280円だ。
同社は1961年に創業、主に自動車、飛行機や戦車などのプラモデル製造・販売を行っている。
リアルな昆虫や恐竜がラインナップにある「自由研究シリーズ(2018年誕生)」から、初めてのコラボ商品となる「エヴァンゲリオン編」として展開されるという。
キャッチコピーは、「水棲ザリガニ型決戦兵器、登場」だ。
エヴァのカラーリングとアメリカザリガニが掛け合わされた、リアルな造形のプラモデルだ。
このエヴァザリガニは、フィギュア関連の情報を発信するツイッターアカウントが7月20日に紹介したことで、大きな注目を集めることになった。
この投稿は21日夕時点で1万4000件以上リツイート、2万9000件の「いいね」が集まるなど大きな話題に。
思わぬコラボとなった同製品に、ツイッター上では、
「何だよこれ…なんなんだよこれ…」
「なぜエヴァとザリガニが出会ってしまったのか」
「ごめん、さすがになんでやねんってなった。なぜにザリガニ…」
「エヴァのプラモ買った事無いけど買おうかな」
といった反応が寄せられている。
同社のサイトによると、パーツ総数は102点。
完成サイズは約23×14×6センチ。
塗装不要・接着不要・ニッパー不要で、ハサミや腹部、尾肢などの主要部分は可動式となっているそうだ。
なぜ数ある中で、ザリガニがコラボ相手として選ばれたのだろうか?
そもそも、同社の「自由研究シリーズ」とは何だろうか。
21日に取材に応じたフジミ模型・広報担当によると、名前を付けたのは社長だという。
さらに、
「社長曰く、子どものころ自由研究がとんでもなく苦手で、子どもながらに(自由って何だ…)と思いつつも、お城のキットなどを組み立てて提出していたとのことです。
こういった経験から、『これを組んで提出すればOK!キットが自由研究たりうるようなキットを作りたい』と始まったシリーズが、自由研究シリーズと聞きました」
と説明した。
そんな「自由研究シリーズ」のコラボ先を探していた際に、「『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の公開延期」や「『おうち時間』の過ごし方としてプラモデルが注目を浴びていた」などの要因が重なったことから、「ファンが自宅で映画の公開を心待ちにしながら作れるキット」になればという思いで、今回の企画が立案されたそうだ。
なかでもアメリカザリガニをベースに選んだ理由について、
「自由研究シリーズの中で一番カッコいいからです。大きなハサミ、長い触覚、甲殻のリアルさが『兵器として映える!』と思いました」
と答えた。
コラボにあたっては、「色分けにおいて、いかにエヴァらしさを再現するかに特に注力しました」と広報担当は言う。
パーツ分割や配置によって使える色が限られるといい、よりエヴァらしい色配置になるように、
「蛇腹の部分だけは当初のアメリカザリガニのキット内容ではどうしても再現しきれなかったので、特別にお腹のパーツを2色用意し、エヴァンゲリオン腹部のカラーリングを再現しています」
と説明した。
また、制作過程では、
「実際にアメリカザリガニがエヴァカラーで届くと迫力があり、『エグい』『キモい』など様々な意見がありました」
といった社内での反応もみられたという。
ただ広報担当は、「本当にアメリカザリガニがエヴァになるのか、という不安がありましたので、届いて『エヴァだ…』と安心したのを覚えています」と、当時の心境を振り返った。
なお、ネット上で話題となっていることを「存じております」といい、
「情報公開からすぐに反応をいただけたことに関しては嬉しい限りです」
とも広報担当は話した。