中川大志が主演した日本テレビ系「日曜ドラマ」枠の連続ドラマ『ボクの殺意が恋をした』の最終回が12日に放送され、世帯平均視聴率が5.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だったことがわかった。

 

全話平均では5.3%となり、同枠の歴代ワースト記録を更新してしまったことで「日曜ドラマ」枠の存在価値が危ぶまれる事態になっている。

 

同ドラマは、“伝説の殺し屋”に育てられた主人公・男虎柊(中川)が殺し屋となり、ターゲットである人気漫画家・鳴宮美月(新木優子)に近づくが、自身の間の悪さが災いして暗殺できず、それどころか美月に恋してしまうというストーリー。
途中から「本物の鳴宮美月は別にいる」という急展開を見せたが、初回から低調だった視聴率を挽回することはできなかった。

「オリンピックの時期とぶつかった不運を差し引いても厳しい視聴率と言わざるを得ない。
中川にとっては、記念すべきゴールデン・プライム(GP)帯の連ドラ初主演作でしたが、波に乗っていたはずの彼の勢いに水を差すような結果となった。
また、ヒロインを務めた新木にとっても、地上波ドラマ初主演となった2019年のフジテレビ系木曜ドラマ『モトカレマニア』で記録した全話平均視聴率4.4%に迫る低水準。
ちなみに、今作で物語のカギを握る人物を演じた田中みな実も『モトカレマニア』にレギュラー出演していましたが、その低視聴率の“悪夢再来”ともいえる状況になってしまった」(芸能記者)

 

今作の全話平均5.3%という数字は、2015年に始まった「日曜ドラマ」枠の歴代最低記録。
これまでは2017年にディーン・フジオカと武井咲がW主演した『今からあなたを脅迫します』の全話平均6.1%が最低だったが、それを大きく下回ってしまった。

 

同枠は日曜の夜10時半スタートという変則的な時間帯で注目を集め、2015年のドラマ版『デスノート』、2018年の『今日から俺は!!』、2019年の『3年A組 -今から皆さんは、人質です-』や『あなたの番です』などのヒット作を生み出してきた。
日テレグループが運営する動画配信サービス「Hulu」への“導入枠”という意味合いも強く、同枠のドラマの続編や特別編などを配信することでHuluの会員増加に大きく貢献してきたとみられている。
しかし、今年に入ってから風向きが変わってきていたようだ。

「今年はHuluが制作に参加した1月期の『君と世界が終わる日に』、広瀬すずと櫻井翔がW主演した4月期の『ネメシス』の全話平均視聴率が共に一桁で不発。
全配信番組を対象としたTverの再生数ランキングでも、両作ともに8位(それぞれ1-3月期、4-6月期)と微妙な順位で、リアルタイム視聴以外でも思ったほどの支持が得られなかった。
どちらの作品も豪華キャストを集め、このご時世としては潤沢な予算をつぎ込んだ“大作ドラマ”だっただけに手痛い結果でした。
それに続いて『ボクの殺意が恋をした』の視聴率が歴代ワーストを記録したとなると、いくらHuluへの“導入枠”の意味合いがあるとはいえ、さすがに苦しい。日曜ドラマ枠そのものの存在価値が揺らぎかねない正念場といえます」(前出)

 

同枠の今後において大きなカギを握っているのは、10月スタートの2クール連続ドラマ『真犯人フラグ』のようだ。

「『真犯人フラグ』は、『あなたの番です』の制作陣が手がけるオリジナルの新作ミステリーで、いわば“あな番ブームの再来”を狙ったような作品といえます。
西島秀俊を主演に据え、17年ぶりの民放連ドラ出演となる宮沢りえ、主人公の部下役を務める芳根京子、絶大な女性人気を誇る佐野勇斗など共演陣も豪華。
『あな番』と同じく2クール連続にしたのも期待の高さがうかがえる。
しかし逆に言えば、これがハズレたら日テレとしては本当に痛いでしょう。
もし失敗すれば、日曜ドラマ枠への新たなテコ入れや枠そのものの見直しなど大きな方針転換を迫られることになるのでは」(前出)

 

同時間帯にフジテレビ系の高視聴率ニュース番組『Mr.サンデー』といった強力ライバルがいるものの、過去にはヒット作を生み出していたのだから放送時間に致命的な問題があるわけではないはず。
『真犯人フラグ』で巻き返しできるか、その成否に業界からも注目が集まることになりそうだ。