日清食品「カップヌードル ねぎ塩」のテレビCM「ねぎ塩星人あらわる篇」が物議を醸している。
「カップヌードル ねぎ塩」は、2023年2月27日に新発売。
2003年の発売以来、定番となっていた「カップヌードル しお」が洋風から和風へ生まれ変わったものだ。
3月1日から全国放映が始まったテレビCM「ねぎ塩星人あらわる篇」は、冒頭で、「さようなら 売れてないSiO」と、見送られた「カップヌードル しお」のキャラクターが涙を流しているところに、「よろしくね ねぎ塩」のフレーズとともに新登場した「カップヌードル ねぎ塩」のキャラクターが「カップヌードル しお」を蹴り飛ばし、ポーズを決める。
「カップヌードル しお」を強制的に排除するような自虐的演出に、SNSでは“悲鳴”が上がっている。
《えっ、カップヌードル ねぎ塩のCM、可哀想すぎて観てられない…! 「売れてないSIO」を蹴り飛ばして退場させるって…。 弱い立場の誰かを暴力で排除する描写はダメでしょ、って不愉快に思う私が冗談通じないの? みんなこれ観て笑えるもの…?!》
《日清さん!あんまりにもカップヌードルSioの扱い酷くないですか! さようなら売れてないSioとかw よろしくねねぎ塩の時のSioにドロップキックかまして、ねぎ塩登場させたりとかw Sio可哀想過ぎませんか?》
とくに、従来の「カップヌードル しお」ファンからの叫びは悲痛だ。
《あれSiOファンからしたら結構悲しいCMなんだよねぇ。頻繁に食べてはなかったけど、カップラーメン買うならあれだったから地味にキテル》
《カップヌードルSiO好きなのでカップヌードルねぎ塩のCMはちょっと面白いけど私からすると「さようなら 売れてないSiO」というのが涙が出る》
《俺はSiOが大好きだったんだよ…それを売れてない、蹴り飛ばす…ショックを受けたよ…悲しい…》
そこで、日清食品HDの広報部に、CMの反響と、制作の意図を聞いてみた。
――2003年から発売されている、洋風の「しお」を「さようなら 売れてないSiO」と送り出すシーンや、蹴り飛ばすシーンに、SNSで「可哀想すぎる」「涙が出る」といった反応が上がっております。そういう反響を把握していますか? また、テレビCM「ねぎ塩星人あらわる篇」に対して、どういった反響が届いているのでしょうか?
「SNS上での反響は確認しており、また、弊社にもさまざまなお客さまの声が寄せられております。上記のような声のほかにも『テレビCMを見て、カップヌードル ねぎ塩を食べてみたが、おいしかった』『潔くて好き』といった、好意的なご感想もいただいております」
――そもそも、テレビCM「ねぎ塩星人あらわる篇」はどのような意図、コンセプトで制作されたのでしょうか。
「『カップヌードル しお』に代わって、『カップヌードル ねぎ塩』が登場することをお伝えするために、『なぞのやさい星人あらわる』という楽曲にのせてCMにしました。『カップヌードル しお』を食べたことがある人だけでなく、食べたことがない人にも『新しい“カップヌードル ねぎ塩”を愛していただきたい』との思いを表現しています。
――「可哀想すぎる」「涙が出る」といった反響が出ていることで、今後、なにか対応する予定はありますか? CM内容が変更される可能性はあるのでしょうか。
「CM内容を変更する予定はございません。お寄せいただいたご意見やご感想については、今後のCM制作に生かしてまいりたいと考えています」
これまでも「攻めてる」と話題になることが多かった日清のCMだが、これも戦略ということだろうか。
「ねぎ塩星人あらわる篇」が、記憶に残るCMであることは間違いなさそうだ。