「会見見た瞬間ね、ちょっとイラッとしました。
もうちょっと(服装を)ちゃんとすると思ったんですよ。
プロ野球の監督になったら、ある程度はちゃんとすると思ったんですよ」

 

11月17日、自身のYouTubeチャンネル『清ちゃんスポーツ』で動画を配信した清原和博氏。
冒頭から《新庄が監督する時代ですから》と“ジャブ”を放つと続けて、日本ハムファイターズの“ビッグボス”こと新庄剛志監督に苦言を呈したのだった。

 

それまでは監督就任の一報を聞いて新庄にエールを送っていた清原だったが、不快感を覚えたというのが11月4日に行われた就任会見。
奔放発言で大いに盛り上がった“新庄劇場”だったが、清原氏が我慢できなかったのは、派手な赤いスーツに大きすぎる襟のシャツ、そしてサングラスをかけた“THE SHINJO”スタイルだった。

「清原さんにしてみれば“タレント・新庄であればそれもよし”だった。
でも、プロ野球を背負う、いわば神聖な監督就任会見で“それはないだろう”という思いだったのでしょう。
一方で、同じく新たに中日ドラゴンズを引っ張っていく、PL学園の後輩・立浪和義監督が掲げた“長髪、茶髪、ひげ禁止”の方針を絶賛。
チームを立て直すにはそれくらいの規律と厳しさが求められる、などと熱く語っていました」(ウェブニュース・ライター)

 

撮影スタッフの相槌に応じるように、さらにヒートアップする清原氏の“新庄批判”は止まらない。
ついには、

「プロ野球100年の歴史があるんですよ。
川上(哲治)監督から始まってね。
絶対、プロ野球のOBたちって、絶対に口に出さないと思うんですけども、みんな嫌な気分になってるのは間違い無いと思いますよ。
僕らの年代くらいまでの選手までは。
若い世代はわからないですよ、平成の選手」

と、上下関係やきびしい規律や環境の中でプレーしてきた、昭和のプロ野球OBの気持ちを代弁してみせた清原氏。

 

ところが、この発言に対してネット上では「お前が言うな」という声が殺到し、自身に返ってくる“ブーメラン”とされる向きもある。

 

そう、同氏もプロ野球という現場において「新庄にはとやかく言えない“前科”がありますから」とは、プロ野球に長年携わってきたテレビ局スポーツ部のディレクター。

「度肝を抜かれたのが、2014年に古巣・ジャイアンツの沖縄キャンプを訪問した際のファッションでしたね。
同じく、視察に来ていた『侍ジャパン』の小久保裕紀監督(当時)らがビシッとネクタイを締める一方で、キヨさんは坊主頭にひげをはやし、胸元が大きく開いたVネックのTシャツに上下真っ白のスーツ、裸足に白いエナメル靴という出立だったのです。
およそプロ野球OBとは思えない姿に、出迎えた原辰徳監督も“えっ”と驚いたのは当然で、練習していた若手選手らは恐る恐る“誰?清原さん?”と何度も見返していました。
グラウンド内で間違いなく誰よりも目立っていましたね(笑)」

 

また新庄とも現場で顔を合わせたことがある。
2009年のプロ野球日本一を決める「日本シリーズ・日ハム対巨人」第2戦、W解説を務めたのが清原と新庄だった。

「いつものラフなファッションで登場した新庄に対し、ネクタイこそ締めていましたが長髪にひげとコワモテのキヨさん。
そして2人は競い合っているのかと思うほどに日焼けした“ガングロ”で、あの時は“日本一黒い解説者”だったのは間違いない(苦笑)。
しかも、前日の第1戦では大先輩のOB・野村克也さんとの解説だったんですが、後から“ノムさんのボヤキを聞いてたら眠くなったよ”とキヨさん。
怒られたんじゃないですかね」(前出・スポーツ部ディレクター)

 

とまあ、服装に関して人のことは言えないように思える清原氏。

 

そして、服装以上にきびしく「お前が言うな」と指摘する声も。

「薬物に手を出した事実は早々に消えるはずなく、ファンにとっては裏切られた思いでしょうから、清原がプロ野球の歴史を“語る資格はない”と見られているのでしょう。
それに彼の逮捕であらぬ疑いをかけられたOBも少なからずいると言いますし、彼らにしても“お前が言うな”ですよ」(スポーツ紙野球デスク)

 

球史に刻まれる素晴らしい成績を残したスター選手であることには間違いない清原氏だが、新庄劇場にもの言えるほどには世間からの信頼を回復できていないということか。

 

とはいえ、「清原さんは乗せられた感もありました」とは前出のウェブニュース・ライター。

「そもそも動画での新庄批判は、スタッフからの“次はキヨさん監督やってください、ってコメントもありましたよ”と振られて始まったもので、どうにか“新庄の話題に”持っていこうとする思惑も見え隠れしましたね。
清原さんから過激な発言を引き出せたら、それが炎上しようとも再生回数は伸びますから。
それでも清原さん自身も本当は監督がやりたくて、でもオファーが来ない現状に苛立ちを抱えているのかも。
だからこそ、スター性のある新庄さんのパフォーマンスがおもしろくないと思って……、とは考えすぎでしょうか」

 

動画公開後に発言が物議を醸していることを受けてか、『またまた新庄へ……』というタイトルを間もなく変更した清原氏。
ネット上ではなく、いつかはグラウンドで新庄ビッグボスと清原番長の試合が見たいものだ。