8月29日、東京地検がプロ野球・西武の山川穂高内野手(31)を嫌疑不十分で不起訴処分にしたと分かった。

 

山川は昨年11月、東京都内のホテルで女性に対して強制性交した疑いで警視庁から任意で事情聴取を受けた。
5月11日に「文春オンライン」で報道されると、12日には球団がコンディション面への考慮から1軍登録を抹消。
5月23日には書類送検。
ただし警視庁麻布署は起訴を求める「厳重処分」ではなく、判断を検察に委ねる「相当処分」の意見をつけた。
その後は3軍で練習を続けたが、試合に出ることはなかった。

 

プロ野球OBは「6月21日の球団親会社にあたる西武ホールディングスの定時株主総会では株主から意見が出るも、対応した奥村球団社長は検察判断を待つと回答。
7月10日のプロ野球オーナー会議後、後藤高志球団オーナー(74)は『遺憾で残念』としながらも今後については『検察判断が出てから』と繰り返した。
この頃から水面下で山川と女性側の弁護士が示談に向けて交渉。
いっぽうで強制性交については山川が頑なに認めず、一時は交渉が決裂寸前まで追い込まれたとの情報も球界内で飛び交った」と語る。

 

だが、7月上旬ごろになると風向きが変わってきたようだ。

 

セ・リーグ球団スタッフは「球界内で『山川が不起訴処分濃厚』という情報が流れた。起訴されたら解雇は避けられず、他球団も獲得は無理。いっぽう不起訴ならトレードなどで獲得できる可能性はあるので、継続して情報を集めていた」と語る。
そこから1カ月半が経過して、ようやく決着したのだった。

 

山川は国内フリーエージェント権取得まで1軍登録日数がおよそ16日必要と見られている。
今シーズン1軍に再昇格とならなければ、オフシーズンに他球団へトレードの可能性もみえてくる。
ホームラン王タイトルに3回も輝いた強打者を、各球団が放っておくわけにはいかない。

 

パ・リーグ球団スタッフは「長打力が売りの選手が枯渇する日本ハム、中日は特に垂涎の獲物になるでしょう。ただ来年オフにはFA権行使で巨額資金を準備できるソフトバンクが獲得するとも言われているので、流出覚悟で獲りに行くのか。またコンプライアンス順守の今、イメージの悪い山川を獲得することで親会社やスポンサーから苦情が来ないかも心配です。それでも山川を欲しい球団は案外多いのではないか」と話す。

 

今シーズン終了後、オフに突入すれば獲得合戦が繰り広げられそうだ。