’23年4月にスタートした日本テレビ系のドラマが大苦戦している。
「日曜ドラマ『だが、情熱はある』は、King & Princeの高橋海人がオードリーの若林正恭、SixTONESの森本慎太郎が南海キャンディーズの山里亮太を演じることで注目を集めましたが、5月7日に放送された5話の視聴率はついに3%台まで落ち込みました。
芳根京子さんが主演の水曜ドラマ『それってパクリじゃないですか?』も5月10日放送の視聴率は4・2%と低空飛行。
プライム帯と呼ばれる夜7時から11時までの時間帯で、民放ドラマのワースト1位を争っています」(スポーツ紙記者)
そんな日テレが夏に放送する学園ドラマで巻き返しを狙っているという。
「7月期の土曜ドラマで、タイトルは『最高の教師~1年後、私は生徒に殺された~』。
先生と生徒のスリリングな交流を描いた学園ドラマです」(制作会社関係者)
『最高の教師』はかつて日テレでヒットした学園ドラマを意識した作品となるようだ。
「このドラマは企画段階では『3年D組』というタイトルで進んでおり、’19年に菅田将暉さんが主演を務めて話題になった『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』の第2弾ともいえる作品です。
スタッフも『3年A組』の福井雄太プロデューサーをはじめ、ほぼ同じメンバーで構成されているそうですよ」(同・制作会社関係者)
『3年A組』は菅田が演じた教師が、卒業を間近に控える担任クラスの生徒を監禁。
過去にクラス内で起きた生徒の死の真相を問い詰めるという学園サスペンス。
予測のつかない展開が話題を呼び、最終回の視聴率は15・4%を記録。
その年の優れたドラマに贈られる『東京ドラマアウォード』の連続ドラマ部門グランプリをはじめ数々の賞を受賞している。
「福井プロデューサーは芸能事務所に忖度などせず、使いたい役者を選ぶスタイル。
福井作品に参加したいと希望する事務所や役者がたくさんいたため、30人の生徒役に500人近い応募があったようです。
スタッフ側も『3年A組』を超える作品を作ろうと気合が入っていますよ」(同・制作会社関係者)
その熱量のおかげか、『最高の教師』には豪華なキャストが集まっている。
「生徒役の1人には7年ぶりに民放ドラマに出演する芦田愛菜さんが決まっています。
またトヨタのCMで“こども店長”を演じていた加藤清史郎さんも出演。
ほかにも當真あみさんや窪塚愛流さんなど有望な若手俳優が集まっています」(同・制作会社関係者)
主役の教師役は松岡茉優が務めるという。
「松岡さんは’20年放送のTBS系ドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』でも主演を務めていましたが、制作中に相手役だった三浦春馬さんの突然の訃報で撮影続行が不可能となり打ち切りに。
そのような難しい状況の中でも松岡さんは、ストーリーをまとめるために急きょ台本が書き直された最終話の撮影に臨んで、見事に演じ切りました」(同・制作会社関係者)
企画・スタッフ・キャストと期待が持てそうな作品ではあるが、制作が動き出すまでには紆余曲折があったようで─。
「実は『最高の教師』は、当初は松岡さんではなく、柴咲コウさんが主演の予定だったんです」(広告代理店関係者)
柴咲といえばNHKの大河ドラマ『おんな城主 直虎』やフジテレビ系の『Dr.コトー診療所』シリーズなど多くの人気ドラマに出演した女優。実力は十分だと思えるが……。
「柴咲さん主演で企画が進む中で、制作陣が『3年A組』のヒットの要因は当時26歳だった菅田さんと、年が近い生徒役同士がぶつかり合う熱量の高さにあった、と考えたそうです。
実際、ドラマでは生徒役の永野芽郁さん、神尾楓珠さん、今田美桜さん、上白石萌歌さんら若手俳優たちの、粗削りだけど情熱あふれる演技が魅力でした。
一方、柴咲さんは現在41歳。若い生徒たちとがっぷり四つに組むには年齢もキャリアも違いすぎます。
そこで28歳の松岡さんを起用して、『3年A組』のような若い教師と生徒のぶつかり合いを再現しようという結論に至ったそうです」(同・広告代理店関係者)
こうした制作側の判断で柴咲は降板となったという。
「制作サイドから柴咲さんにオファーをかけて、途中まで進めたにもかかわらず、最後は年齢を理由に降板となったんですから、柴咲さんからすると複雑な心境でしょうね。
あまりにも急に主演が代わったため関係者は全員寝耳に水だったようです」(同・広告代理店関係者)
この電撃交代は事実なのか。真相を確かめるため日本テレビに質問をしたが、期日までに返答はなかった。
ドラマの舞台裏にも、いろんな人間模様がうごめいているようだ。