フィギュアスケート世界選手権 第2日(23日、さいたまスーパーアリーナ)ペアはショートプログラム(SP)1位の三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)がフリー2位の141・44点、合計222・16点で自己ベストと今季世界最高得点を更新し、日本勢初の大会制覇を成し遂げた。
さらに今季は、GPファイナル、四大陸選手権、世界選手権と同一シーズンで主要国際大会を全て制したことになり、全種目通じて日本勢初となる「グランドスラム」を達成した。
スロー3回転ループで転倒はあったが、息の合った滑りで観客を魅了。
SPトップから逃げ切った。
優勝が決まると、2人はキスアンドクライでうれし涙を流した。
会場での優勝インタビューで三浦は「悔いのないように練習してきた。フリーで気持ちの弱さが少し出たかなと。悔しい思いが今はあります。でもうれしいです」と話し、木原は「とにかく母国開催で優勝できたことを、ものすごくうれしく思います」と笑顔を見せた。
ペア結成後、過去2度の世界選手権は「いい演技ができてない、後悔が残る演技しかできてない」と木原。
2021年大会は10位、2022年大会は銀メダルを獲得するも、内容は納得できるものではなかった。
2人で出場する3度目の世界選手権は自国での開催。
ともに大会前から「自信がある」と声をそろえ、ピークを合わせてきた。
22日のSPでは、今季世界最高で、自己ベストを2・47点更新する80・72点で圧巻の1位スタート。
勝負のフリーに向け、木原は「本当にいい練習を積めてきた。練習でやってきたいい練習を、しっかりフリーで出したい」、三浦も「四大陸終わって、本当に後悔しないっていう目標を掲げてやってきたので。本当に楽しむだけだと思います」と口にしていた。
今季は、昨年7月に三浦が左肩を負傷し、9月中旬まで一緒に滑ることができずスタートが少し遅れたが、結果は、国際大会全勝。さらなる飛躍を遂げたシーズンを「世界一」という最高の形で締めくくった。
世界選手権におけるペア種目の日本勢過去成績は、22年大会に“りくりゅう”が過去最高の銀メダル、2012年大会では高橋成美、マービン・トラン組が銅メダルを獲得している。
過去、同大会での日本勢表彰台入りは2度だけだった。
◆グランドスラム
国際スケート連盟(ISU)が主催するシニアの国際大会で、GPファイナル、四大陸選手権(または欧州選手権)、世界選手権の3大会を同一シーズンで全て制すること。
世界では00~01、02~03年の男子シングルのエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)や、ペアでは06~07年に申雪、趙宏博組(中国)らが成し遂げている。