日本相撲協会は27日、東京・両国国技館で理事会を開き、協会が定める新型コロナウイルス感染防止のガイドラインに違反し、不要不急の外出を繰り返したとして、幕内・竜電(30)=高田川=に3場所出場停止の処分を決めた。
自主的に全休した今月の夏場所から9月の秋場所までが対象で、幕下以下への転落が確実な状況となった。
コンプライアンス委員会の調査によると、竜電は昨年3月から今年1月までの外出禁止期間に、ほとんどが本場所中にもかかわらず合計25回にわたり、「女性と逢瀬(おうせ)等のため」不要不急の外出をしていた。
竜電は19年に結婚しているが、今月20日発売の「週刊新潮」で不倫相手の元に通っていたと報じられていた。
コンプラ委は「無自覚で軽薄な行為は許しがたい」と指摘。
高田川部屋では新型コロナに感染した三段目力士の勝武士さんが昨年5月に死去している。
そのことにも触れ、「他の協会員以上に外出禁止の順守が求められていたというべきであって、このような道理を理解できないのでは相撲道に反すると非難されても致し方ない」と、厳しく断じた。
電話取材に応じた芝田山広報部長(元横綱・大乃国)によると、竜電は師匠の高田川親方(元関脇・安芸乃島)と共に理事会に呼ばれた。
同部長は「本人は丁重に『大変申し訳ございません』と言っていた」と明かした。
高田川親方は監督責任を問われ、6か月の報酬減額20%の処分が下された。
行動の詳細については明かされなかったものの、一部週刊誌は「不倫密会疑惑」を報道。
相撲協会も「無自覚で軽薄な行為は許し難い」「相撲道に反する」などと厳しく断じた。
ただ、角界内では元小結の幕下阿炎(27=錣山)の処分(3場所出場停止、5か月の報酬減額50%)との比較から、竜電の処分が「軽い」との見方もある。
阿炎は外出禁止期間中のキャバクラ通いが処罰の対象となったが、その回数は4回。
関係者からは「25回も外出して、この処分は甘すぎる」「基準がよくわからない」と疑問の声が相次いだ。
また、ガイドラインに違反した大関・朝乃山(27)=高砂=は調査中で、後日に理事会を開いて処分を下す見通しだ。