俳優の吉岡秀隆さん主演の映画「Dr.コトー診療所」(12月16日公開、中江功監督)で、ドラマ版で診療所の看護師・星野彩佳を演じた柴咲コウさんの続投が8月26日、発表された。
星野は“Dr.コトー”こと五島健助(吉岡さん)と結婚し、映画では“五島彩佳”として出演する。
また、彩佳は現在妊娠7カ月で、柴咲さんは妊婦姿も披露する。
「Dr.コトー診療所」は、山田貴敏さんの同名マンガが原作。離島を舞台に、東京から赴任した外科医“Dr.コトー”こと五島健助と、島の人々との関わり合いを通して命の尊さを描く。
連続ドラマとして2003年7月期にシーズン1、2006年10月期にシーズン2が放送され、2004年にはスペシャルドラマも放送された。
シーズン2では、シリーズ最高視聴率25.9%を記録し、大ヒットした。
映画では、ドラマ版にも出演していた志木那島の漁師・原剛利役の時任三郎さん、島民が集うスナックの店主・西山茉莉子役の大塚寧々さんの他、泉谷しげるさん、筧利夫さん、小林薫さん、大森南朋さん、朝加真由美さんが引き続き出演する。
さらに、2006年のシーズン2以降、芸能界を引退していた剛利の息子・剛洋役の富岡涼さんが、今回の映画のために役者復帰。
剛洋は現在28歳となり、物語のカギを握る。
映画では「16年後のコトー」が島でどのように暮らし、生きているのか、島の人々はどのように過ごしているのか。
52歳になったコトーの穏やかな日常にある変化が忍び寄っていることにまだ誰も気づいていない……という物語が展開する。
キャストのコメントは以下の通り。
【柴咲コウ】
何十年も前にチームだった人が多い現場なので、あうんの呼吸のような安心感がありました。
撮影しながら昔のこともどんどん思い出して、思い出話に花を咲かせながら「今」を紡いでる「Dr.コトー診療所」を撮っていました。
16年間の平穏な暮らしがどこかに感じられたらいいなと思いながら撮影に臨んだのですが、吉岡さんの姿を見たら、自然体でコトー先生の空気をまとっていて、そんな吉岡さんの前にいると、自然と自分も彩佳になることができました。
ちなみに与那国島での撮影は、土地柄、虫が良く出るのですが、宿で私の苦手な虫が出た時に吉岡さんが、それをとってくれて、そういう何気ないことでも家族っぽくなるんだなぁと。
こうやって助けていただきながら島暮らしをしているのが、思い返せば、昔もそうだったな、と思い出しながら撮影していました。
今回の「Dr.コト-診療所」は、ドラマもそうでしたが、日常や病気によって訪れる非日常、そこから生まれる感情をすごく丁寧に描いている作品なので、医療ものというよりはヒューマンドラマだと思いますし、人の心の機微や、人とのつながりが、どれほど大切なのかを改めて感じさせてくれる作品になると思います。
【時任三郎】
第1シーズンで、船酔いした息子タケヒロに向かって「漁師の息子が、情けねえ」と言っていた父タケトシ。
それを演じていた自分が一番船に弱かったということを思い出しました(笑)。
大人になったタケヒロと久しぶりの親子再会、どんな展開になるのかご期待ください。
【大塚寧々】
今回16年ぶりに撮影でしたが、与那国の空港に降り立って、あの空気を吸い込んだ瞬間に、ああ~島に帰ってきたと思いました。
診療所もそのままで、なんだかずっと島で生活していたような不思議な気持ちでした。
子供たちは成長して大人になっていてびっくりしました。
スタッフやキャストのみなさんと会って、一瞬にして時がそのまま流れていたような感覚になったのが、とてもうれしかったです。
まるで、久しぶりに親戚一同がそろった! みたいな感じでした。
その雰囲気が映像にも写し出されていればと思います。
【泉谷しげる】
みんなもっと老けていると思ったが、いやいやぜんぜ~ん変わってなかったから驚いたねー!
今回オリジナルメンバーでやれたのが全くもって良かった。
最初この話が来た時、「早く撮らないと年取ったのが死んでしまうから早くしないとダメだぞー」と言ったけど、前より若くなってらーっていう人もいて(笑い)。
シゲは、勝手に島民の世話をして勝手にリーダーシップとる人なんだが、ありがた迷惑的なキャラが好きで、生き生きしてるね!
例えばだが、誰かがけがして深刻な場面でも「あの野郎もう死んじまったかー」みたいなこと言っちまうところが大好きだね!
まー観客の皆さんに喜んでもらえることが俺達の使命だから、本当に楽しんでもらうことが、何よりの願いだね!
【筧利夫】
長く役者をやっていると時々とんでもないことが起こります。
私は変わりました。
みんな変わりました。
だって16年たってるんですもの。
でも衣装着て診療所に行ったら……同じになっちゃうんですよ(笑)。
手術台に行ったら手伝ってるんですよ(笑)。
うれしくなっちゃいます!
もうファンタジーを飛び越えた機械を通していないCGですよ。
ウキウキするでしょ?
これは見ないといけませんね。
Dr.コトー診療所でお待ちしております。
【小林薫】
2年くらい前だったかな、皆さんも同じだったと思うけど、中江監督から、コトーの映画化の話があるんだけど、その時は出演してくれる? っていわれて、二つ返事で、そりゃあもちろん出ます出ます、と答えてました。
なんだろうこの気分は、久しぶりに同じスタッフ、キャストの皆と一緒に仕事が出来る。
島にももう一度行くことが出来るかもってのもあったかも知れないが、16年経っての作品化はコトーにそういう生命力があったってことで、改めて、そういう作品に関わることが出来た喜びみたいなのがあったんだなあと思っています。
【朝加真由美】
この歳になると「ありがとう」と言う言葉が身に染みます。
コトー再開の話をいただいて思わず「ありがとう!」って空を見上げました。
撮影初日、与那国では「そうそうこの日差し!」「目が開けられない!」監督はじめスタッフ皆様の笑顔! 「うれしい!」。
現場に行けばコトー先生がいて、星野家があって、そこに行けば星野昌代としていられました。
16年前には撮影がハードで早く帰りたいなんて思ったりもしたのに(笑)。
なんと一日でも長くいたい場所になっていました。
Dr.コトー診療所、「ありがとう!」
【大森南朋】
撮影前は久しぶり過ぎて、気持ちがわさわさしておりましたが、現場に入ったら一瞬で16年前に戻りました。
皆様がお元気そうでなによりでした。
16年ぶりに帰ってきた「Dr.コトー診療所」楽しみにしてください。
【富岡涼】
監督から映画化のお話と「参加しないか」と言われて、考えたこともなかったので驚いたのと、役者をやめてから時間もたっていたので、かなり悩んだのですが、監督から声を掛けていただけたことがすごくうれしくて「自分のできることを精いっぱいやってみよう」という思いで参加しました。
島で吉岡さんや監督と話しながら過ごすうちに、だんだん昔、タケヒロがドラマの中で体験していたことを鮮明に思い出して気持ちがどんどん強まったので、自分の中にまだタケヒロが残ってたんだなと感じました。
皆さんに久々にお会いする時はかなり緊張していたのですが、「あ! タケヒロ」みたいな感じで声かけていただいて……。
本当に島のみんなの中に久しぶりに帰ってきたような、里帰りしたような感覚で、あたたかく迎え入れていただけたことがうれしかったです。