細田博之衆院議長(79)=島根1区=は13日、東京都内の議長公邸で記者会見し、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自身の関係について公の場で初めて説明した。

 

教団との接点は「会合に呼ばれたら出るという程度で、特別な関係はない」と強調したものの、事実関係の詳細な説明は避けた。
週刊誌が報じた女性記者に対するセクハラ疑惑に関しては、「一切覚えがないし、実際の証言があるわけでもない」と反論を繰り返した。

 

細田氏は体調不良を理由に、20日召集の臨時国会を前に議長を辞任する意向も正式に表明。
医療処置が必要となり2日間程度登院できなくなる場合もあると明らかにした。
うつ症状もあるという。
一方で議員辞職は否定し、「これからも一国会議員として国政に携わっていきたい」と次期衆院選出馬に意欲を示した。

 

自民党は昨年9月、所属議員と教団の関係についての調査結果を公表したが、細田氏は議長就任時に自民会派を離脱しているとして対象外だった。
細田氏自身の対応も、説明文の公表や、与野党代表者らへの非公開の場での説明にとどまっていた。

 

セクハラ疑惑については、「どうして私が『セクハラ議長』と言われなければならないのか」と不満をあらわにし、「被害者にどんなセクハラを受けたのか聞きたい」と強気の姿勢を貫いた。
教団との接点やセクハラ疑惑は議長辞任とは無関係で、あくまでも体調の問題だと主張した。

 

この日の会見の参加者は、国会取材を担当する記者クラブ加盟各社から1人ずつに限定された。
当初目安とされた30分よりも長かったものの、約50分で強制的に打ち切りとなり、説明責任を果たそうという姿勢は乏しかった。

 

専修大の山田健太教授(言論法)は「時間や人数を制限した会見では、市民の『知る権利』が満たされない」と厳しく批判した。