13日、ジャニーズ事務所は公式サイトに「故ジャニー喜多川による性加害問題に関する被害補償及び再発防止策について」と題する文章を発表しました。

発表された文書では、「皆様にご迷惑をお掛けしている事柄につきましては加害者である故ジャニー喜多川と弊社の体制に原因がございます。」と記述。

そして「弊社は失った信頼を回復できるように全力を注ぐとともに、今後1年間、広告出演並びに番組出演等で頂く出演料は全てタレント本人に支払い、芸能プロダクションとしての報酬は頂きません。」と、記しています。

 

【以下、全文引用】

故ジャニー喜多川による性加害問題に関する被害補償及び再発防止策について

 

弊社は、本年9月7日の記者会見でもご説明しましたとおり、故ジャニー喜多川により、長期間に亘る性加害があったと認識しており、被害者の皆様に心よりお詫びを申し上げます。

 

 この度の性加害問題に関しまして、以下のとおり、被害補償及び再発防止策を講じて参ります。

 

1 被害救済について

 弊社は、再発防止特別チームからの提言に従い、被害者救済委員会を設置するとともに補償受付窓口を開設いたします。この被害者救済委員会の判断に従い被害者に対する金銭補償を行います。また、弊社は被害者の方々との対話を進める所存です。

 

(1) 被害者救済委員会の設置について

 

 弊社は、金銭的な賠償の実施について知見と経験を有する外部専門家からなる「被害者救済委員会」を設置いたしました。
 被害者の皆様に公平かつ適正な金銭補償を実施するため、被害者救済委員会に、被害者の皆様からの申告内容を検討して補償金額を判断することを一任いたします。
 被害者救済委員会は受付窓口にて受け付けた申告内容や資料を検討するほか、被害を申告された方から直接お話を伺って補償金額を判断します。なお、被害者救済委員会により査定された補償金額の支払いについては、被害申告をされた方の所属時期や被害の時期を理由として補償を拒むことはいたしません。

 

 被害者救済委員会は、以下に記載したこれまで弊社との間で助言等を依頼したことがないいずれも元裁判官の経歴をお持ちの弁護士3名によって組成され、その運営・判断は、弊社から独立性を維持した形で行われるようにいたします。

 

定塚 誠(じょうづか まこと)
 昭和60年裁判官任官。最高裁判所事務総局情報政策課長、法務省訟務局長、東京高等裁判所 判事(部総括)等を歴任し、令和4年に裁判官を退官し弁護士登録。

 

杉原 麗(すぎはら れい)
 昭和61年裁判官任官。平成7年に裁判官を退官し弁護士登録。自治体情報公開・個人情報保護審査会委員、中央労働委員会公益委員等を務めた。

 

森 倫洋(もり みちひろ)
 平成7年裁判官任官。最高裁判所事務総局民事局付等を務めた後、平成17年に裁判官を退官し弁護士登録。日本弁護士連合会ADR(裁判外紛争解決機関)センター事務局長等を務めた。

 

(2) 補償受付について

 

①金銭補償の対象者
 弊社にタレント又は研修生(「ジャニーズJr.」等)として所属していたことがある方、又は現に所属している方で、故ジャニー喜多川による性加害の被害を受けた方を対象として下記受付を開設いたします。
(注) なお、上記以外で被害を受けたとの申告がある場合には、被害者救済委員会にもご相談しつつ弊社にて個別に対応を検討いたします。

 

②受付方法
 ウェブフォームを利用した補償受付窓口を設置いたしますので、そちらよりお申し込みをお願いいたします。
なお、受付窓口URLについては、後日公表させていただきます。

 

・ 上記窓口において受け付けた申告内容については、プライバシーに厳重に配慮して取り扱い、被害者救済委員会にて管理されます。寄せられた申告内容及び申告した方の個人情報は、弊社に対しては被害者救済委員会による審査・査定のため、被害者救済委員会が弊社に関連する資料・情報の提供を求める際に、弊社に開示する必要がある限度において提供されるにとどまり、その範囲を超えて弊社に情報が共有されることはありません。
いずれにせよ寄せられた申告内容及び申告した方の個人情報については、被害者救済委員会及び弊社のいずれにおいても厳に秘密を保持し、補償を実施する目的以外に使用することはありません。

 

・ 以下の関連資料をお持ちの方は、被害者救済委員会ご提供ください。
なお、これらの資料がなくても被害者救済委員会の審査・査定の対象となり、これらの資料がないことを理由に補償を拒むことはありません。

 

 ① 弊社にタレント又は練習生(「ジャニーズJr.」等)として所属していたことが分かる資料
 ② 性加害により受けた影響に関する診断書などの資料

 

・ 被害者救済委員会は、申告された方に対して面談によりお話を伺うことや、必要に応じてお手元にお持ちの資料・情報のご提供をお願いする場合がございますので、あらかじめご了承ください。

 

・ 被害者救済委員会の各委員の弁護士は、被害申告者の代理人として相談を受けるものではありませんので、ご留意ください。

 

2 再発防止策について

 弊社は、新社長東山紀之の下、再発防止特別チームから提言された再発防止策を以下のとおり速やか且つ確実に実施して参る所存です。

 

① チーフコンプライアンスオフィサー(CCO)の策定と設置及び社内の諸制度の整備・拡充・実施
 10月2日の新体制公表に伴い外部からのチーフコンプライアンスオフィサー(CCO)を設置し、人権に対する基本方針の策定と実施、また、その内容を含めました社内規程整備等を行って参ります。
 また、既に策定している内部通報制度の更なる整備・拡充、ジャニーズJr.の相談先であるホスピタリティルームを拡充させるなど、施策を開始済みの諸制度についても改善及び運用の充実を図って参ります。

 

② 研修の実施・充実
 eラーニング、個別研修は既に社内でも実施しておりますが、人権尊重や性加害・ハラスメント・コンプライアンス等に関しての研修を、社員・タレントに対して行い、コンプライアンス意識の強化を計画的に推進していきたいと考えております。

 

③ ガバナンスの強化
 経営責任をより明確化して同族経営の弊害を排する体制を構築するために、CCO・社外取締役の監視体制を機能させるべく、
組織体制・会議体系を確立させていきたいと考えております。
 またその遂行状況のモニタリングを行い、適宜、公表することも行っていきたいと考えております。

 

④ メディアなどの関係者の皆様との対話等のエンゲージメント
 弊社として人権デューディリジェンスに取り組むという観点、及び、メディア、広告出稿主様などのご関係者による人権デューディリジェンスの取組みに応じる観点から、これらのご関係者と継続的な対話を計画的に行い様々なご意見を賜りながら、弊社の再発防止・ガバナンス強化等に対して生かして参りたいと考えております。

 

* * *

 

 また9月中には、人権に関するポリシーの制定など再発防止特別チームが提言した内容に基づいたさらに具体的な再発防止策を公表させて頂く予定でございます。

 

 そして、皆様にご迷惑をお掛けしている事柄につきましては加害者である故ジャニー喜多川と弊社の体制に原因がございます。
弊社は失った信頼を回復できるように全力を注ぐととともに、今後1年間、広告出演並びに番組出演等で頂く出演料は全てタレント本人に支払い、芸能プロダクションとしての報酬は頂きません。

 

 被害者の皆様へのお詫びと被害救済、そして皆様からの信頼回復のためには、長い道のりが必要であることは肝に銘じております。
 タレントや私ども役職員がみな一丸となって弊社の再出発に取り組んで参りますので、今後ともこれまで以上に様々なご意見ご指摘を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

 

2023年9月13日
株式会社ジャニーズ事務所