結成22年を迎えた3人組グループ・いきものがかりの山下穂尊(Gt)が、今夏をめどに脱退することが2日、発表された。

 

山下は表舞台に立つ芸能活動からは離れ、作曲や執筆などの創作活動をはじめとする新たな道に進む。
3人でのラストライブは6月10・11日の横浜アリーナ公演2days。
山下離脱後は、水野良樹(Gt)と吉岡聖恵(Vo)の2人で活動を継続する。

 

いきものがかりは水野、吉岡、山下の3人連名の書面で「この度、いきものがかりのメンバー・山下穂尊が、2021年夏を目処にグループを離れることとなりました」と報告。
「山下は、今後は表舞台に立つ芸能活動からは離れ、作曲や執筆などの創作活動をはじめとする新たな道に進み、いきものがかりは、水野良樹と吉岡聖恵の2人で活動を続けてまいります」と続けた。

 

脱退の理由については「それぞれの人生の行く先を考える年齢になってきました。ひとりひとりが、どうこれからを生きていくのか。少しわがままかもしれませんが、自分自身に正直にならざるを得ない時期を迎えています。放牧(活動休止)をしてみたり、独立をしてみたり、紆余曲折の旅を続ける中で、音楽やグループに向ける気持ちが、山下と他の二人とで、少しずつ違うものになってきたことを感じていました」と説明。

 

山下の中で「いきものがかりの活動や芸能の世界とは違う場所で、自分の人生を自由に模索してみたい。表舞台に立つ仕事とは違う道に進むことも幸せなのではないか」という思いが強くなっていったといい、「グループを離れたい」という意思を伝えられた水野、吉岡とも、かなり前の段階から何度かにわたって話し合ってきたという。

 

コロナ禍で「話し合いの答えを出せないまま、区切りをつけるのが難しい日々」を経て、今春アルバムをリリースし、ようやくツアーを実現。
改めて山下が脱退を申し入れ、「別々の道を歩むことも、それぞれの人生を前に進めるためにはありえる選択ではないか」と決断したという。

 

メンバー3人もそれぞれコメントを発表。
山下は「私、山下穂尊はこの夏をもってグループから離れ、表舞台に立つ芸能活動からは退く決断をいたしました」と改めて報告。
「40代を目前に差しかかり、自分の人生を、経験を、これからどうして行くべきか。我儘とはもちろん理解していながら、話し合いを重ねて、メンバーそしてスタッフの皆さんも最後はあたたかく背中を押してくれるとの事でした。そちらも感謝しかありません。個人的なことですが、元々人前に出ることが苦手な性格の自分が、このように長きにわたって皆様に支えられながら歩いてこれたことには重ね重ね感謝しております」と伝えた。

 

今後についても「これからは自分ともう一度向き合いながら歩いて行きたいと思います。表に立つことからは退きますが、創作活動などは引き続き行っていきたいと考えております。何がこれから生まれていくか、どうかあたたかい目で見守っていただけたら幸いです」とメッセージ。「スタッフ、関係者の皆様、そして何よりもとてもとても長い間応援していただいたファンの皆様、本当にありがとうございました。また一つ、成長したいと思います」と結んだ。

 

山下とは小学1年の頃からの幼なじみでもあるリーダーの水野は「6歳のときに出会って、友達になって、メンバーになって。18歳のときに近所の公民館のベンチで穂尊と「こんなことできたらいいよなぁ」って企んだことは、ほぼぜんぶ叶って。今、38歳になって、振り返れば「楽しかったな」と言えてるんだから、俺たちは幸せだったんじゃないかなと思います」としみじみ。「最高だったよな、ほんとに。信じられないよ。これから、久しぶりに俺らは別々のことをするんだから、精一杯楽しもう。ありがとう。これからもよろしく」と背中を押した。

 

吉岡も「今回の山下の決心は、“山下穂尊が、より山下穂尊らしく”、より自由に生きていくための選択だと思っています。彼は表舞台からは退く決断をしましたが、昔から時間があればバックパッカーとして海外に旅に出たり、アウトドアの世界に没頭したり、音楽だけでなく様々な分野に興味を持ってきた多才な人間です。そんな彼の世界が、これからさらに大きく豊かに広がっていくことを信じていますし、これからも互いに切磋琢磨し、エールを送り合える仲間でいたいと思います」と伝えた。

 

現体制ラストライブについては「6月10日(木)・11日(金)開催の横浜アリーナでの公演が、3人のいきものがかりとして行う最後のライブとなります。有観客およびオンライン配信にて実施するこのライブにて、地元・神奈川のステージから改めて3人のメッセージをお届けいたします」と報告。「最後まで応援のほどよろしくお願い申し上げます」と呼びかけた。

 

いきものがかりは小中高と同じ学校に通っていた水野と山下が1999年2月1日に結成。
ユニット名は2人の共通点が小学1年のときに一緒に金魚に餌をあげる「生き物係」をしていたことから命名した。
地元の神奈川・厚木や海老名など小田急線沿線で路上ライブ活動をスタートし、同年11月3日、同級生の吉岡くんの1歳下の妹、吉岡聖恵がボーカルとして飛び入り参加。
そのまま加入して3人組となり、2006年3月5日、「SAKURA」でメジャーデビューした。

 

【いきものがかりコメント】

いきものがかりから皆様へ

 

いきものがかりを応援してくださっている皆様、
いつもありがとうございます。
本日はご報告があります。
今年の夏をもってメンバーの山下穂尊がグループを離れることになりました。
山下は今後、芸能的な活動からは離れ、この先の人生を進めていきます。
いきものがかりは吉岡と水野の二人で、新たな日々を歩んでいくことになります。
結成から22年が経ち、多くの皆さんとの出会いに恵まれ、
自分たちの身の丈を超えた夢をいくつも見ることができました。
これまでの「3人のいきものがかり」の活動が
自分たちの力だけで成り立ってきたわけでないことは
誰よりもメンバー自身が深く感じています。
そのうえで、それぞれの人生の行く先を考える年齢になってきました。
ひとりひとりが、どうこれからを生きていくのか。
少しわがままかもしれませんが、自分自身に正直にならざるを得ない時期を迎えています。
放牧(活動休止)をしてみたり、独立をしてみたり、紆余曲折の旅を続ける中で、
音楽やグループに向ける気持ちが、山下と他の二人とで、
少しずつ違うものになってきたことを感じていました。
いきものがかりの活動や芸能の世界とは違う場所で、自分の人生を自由に模索してみたい。
表舞台に立つ仕事とは違う道に進むことも幸せなのではないか。
そんな思いが山下の中で強くなっていました。
山下からグループを離れたいという意思を伝えられたとき、
吉岡・水野も多くのことを考えました。
そのことについて話し合ったのはもちろん1度だけではありません。
かなり以前の時期から、何度かにわたって、互いの気持ちを伝え合う機会がありました。
しかし、結論は簡単には出せませんでした。
やがて世の中はコロナ禍に入り、
度重なるツアーの中止など、自分たちも予想もできない事態の対応に追われていました。
話し合いの答えを出せないまま、区切りをつけるのが難しい日々でした。
ですが、この春、アルバムをリリースし、やっとツアーも実現できたところで、
改めて山下からこの先についての申し出がありました。
3人それぞれを尊重する。
それが結成以来、僕らが言葉にするまでもなく大事にしてきたことです。
多くを語り合ったうえで、そこに立ち返ったときに、
別々の道を歩むことも、それぞれの人生を前に進めるためにはありえる選択ではないか。
そう考え、決断しました。
吉岡・水野は音楽を、そしていきものがかりを続ける意志を持っています。
山下も、それを強く願ってくれています。
吉岡・水野は山下が今までとは違う道で、
まさに二人が大好きな“山下らしい姿”で、
自由であり、おおらかであり、そして優しさを携えた人間として、
前に進んでいってくれることを願っています。
メンバーから“友人”に戻る山下に、新しい毎日を大切に過ごしてほしいと思っています。
悲しくないと言ったら嘘になりますが、
僕ら3人は、これがもっとも僕ららしい選択なのではないかと今は考えています。
3人でのいきものがかりを応援してくださっていた方々には
残念な気持ちにさせてしまって、本当に申し訳ありません。
どうか、新たな道へと進む山下。
そして、いきものがかりとして歩み続ける吉岡と水野。
この3人をあたたかく見守っていただけたら幸いです。

 

いきものがかり
水野良樹 吉岡聖恵 山下穂尊

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