今年の大みそかに放送する『第73回NHK紅白歌合戦』の出場歌手が11月16日に発表された。

 

紅組、白組合わせて42組。
初出場は、Aimer、IVE、ウタ、緑黄色社会、LE SSERAFIM、Saucy Dog、Vaundy、BE:FIRST、JO1、なにわ男子の10組。
さらに、氷川きよしが紅組、白組の枠を超えた特別企画として出場する。

 

「全体的に若者に寄せた出場歌手となっており、NHKの狙いがよくわかるラインナップですね。
ただ、若年視聴者を獲得したいのと、メイン視聴者層であるシニア層受けも担保したいのとで、どっちつかずになってしまった印象も受けます。
初秋に噂が出た、中森明菜、松田聖子、小泉今日子の“同級生アイドルトリオ”の出場が実現すればバランスも取れたかもしれませんが、ポシャってしまったので……。
結果、話題性はあるものの、一般的な知名度から言ったら選考される意義のわからないアーティストもいて、正直、若者に寄せすぎて、選考基準が不可解な紅白になってしまっています」(スポーツ紙記者)

 

男性アイドルグループが多いことにも、こんな問題が噴出しそうだ。

 

「初出場のJO1とBE:FIRSTは、アイドルではなくアーティストと言えますが、シニア層から見ればジャニーズのアイドルグループと同じに見えてしまう。
ジャニーズと合わせれば『男性アイドルグループ』が8組もいるわけで、バランスを欠いています。

また、結成間もないBE:FIRSTは、プロデューサーのSKY-HIとエイベックスの関係値から滑り込んだという話まで出ている。
さらに、そのBE:FIRSTとライバル関係にあるJO1サイドは、運営に関係している吉本興業の力を使ってねじ込んだという話も……。
ただ、両グループ共に、それこそ若い世代を中心に認知度と人気があるし、今年のJ-POPシーンを見ても、出場は妥当でしょう。
NHKの選考のうまくなさに“疑惑”として巻き込まれてしまうのは気の毒ですね」(民放関係者)

 

意外性があるといえば、なぜ選考されたのかイマイチ不明な篠原涼子と、Adoが顔出しできないという理由で選ばれたウタくらいのものか。

 

これでは、去年以上の“惨劇”が起きると、民放各局のプロデューサーは大喜びだ。

 

「演歌が少ないのは仕方ないとは言え、桑田佳祐や松任谷由実、明菜など、国民的人気の歌手を口説けなかったのが痛いところ。
このラインナップでは、民放の歌番組と変わらないですし、わざわざ大みそかにテレビを見るきっかけにならない。

初出場の歌手やグループの若いファンは、あとでTwitterやTikTokで切り抜き動画を見ればいいと考えているし、リアル視聴はしない可能性が大きい。
NHKは、どこでも見られるアプリ『NHK+』での視聴数も計算して年明けに公表するつもりのようですが、マスコミがセンセーショナルに報じるのはテレビの視聴率だけ。
どれだけ若者がアプリで見ようが、視聴率が下がれば元も子もない。
完全に、今年の紅白は“詰んで”しまった形になり、民放各局にしたら視聴率を奪い取れる、またとないチャンスなんです」(同上)

 

もちろん、NHKも今回のラインナップに“目玉”がないことは重々承知しているとか。
そこで、残りの日にちを使って、ギリギリまでサプライズゲストの選定と調整を行っているという。

 

「まず、サプライズ内定と言われるのが、出場歌手の工藤静香と、長女でフルート奏者のCocomiの共演です。
工藤は娘との共演ありきで今回の紅白の打診を受けたと聞きます。
さらに、純烈からは年内で小田井涼平が卒業しますが、紅白ではダチョウ倶楽部とのユニット「純烈♨ダチョウ」としても登場予定だとか。
上島竜兵さんが亡くなったこともあり、大々的に出場歌手として発表してほしくないダチョウ倶楽部側の意向から、地方の温泉施設から生中継するサプライズという形で出場することになったそうです。
また、デビュー40周年の安全地帯は内定、50周年イヤーとなる矢沢永吉に関しては生中継という形で調整中とのこと」(スポーツ紙記者)

 

さらに、こんなサプライズも用意しているという。

 

「スペシャルナビゲーターの櫻井翔を使って、嵐メンバーを少しでも出場させる方向でジャニーズ事務所と調整しているようです。
企画コーナーで、来年の大河ドラマ『どうする家康』で主演を務める松本潤を使い、徳川家康ゆかりの地から生中継を行うことは内定しているとか。
また、二宮和也のYouTubeチャンネル『ジャにのちゃんねる』とのコラボを行い、都内のスタジオから動画の撮影風景をリポートする案もある。
『ジャにの』メンバーは、タイミングよくKAT-TUN(中丸雄一)、Hey! Say! JUMP(山田涼介)、Sexy Zone(菊池風磨)と、どのグループも出場しない。
そういった意味でも、それぞれのファンを視聴者として獲得できるので、NHKとしてもおいしいコラボになる構図です」(民放関係者)

 

サプライズ出場には例年になく力が入っている紅白。
もしかしたら、意外にも視聴率は伸びるかも?