元SMAPメンバーのテレビ出演について圧力をかけた疑いがあるとして公正取引委員会がジャニーズ事務所に「注意処分」をしたとNHKが報じた2019年7月17日から、まもなく3年。

 

そのNHKではこの4月から、新しい地図のメンバーによるレギュラー番組が始まり、山下智久の主演ドラマが放送されるなど「元ジャニーズ」をめぐる状況は様変わりしたかに見えるが、民放各局では”相変わらず”のままのようだ。

 

4月25日に放送された『しゃべくり007』(日本テレビ系)では、民放における元ジャニーズの厳しい扱いがはっきりと映し出されることになった。

「この日は朝ドラヒロインを務めた川栄李奈をゲストに迎え、AKB48から女優として成功するまでの話がメインで語られました。
しかし、川栄が転機となった作品に2014年のTBSドラマ『ごめんね青春!』を挙げた際、当時関ジャニ∞のメンバーだった錦戸亮の主演作にもかかわらず、番組はなんと『満島ひかり主演の学園ドラマ』と紹介し、出演者が描かれたイラストにも、錦戸だけが不自然になかった。
意図的に錦戸の名前や姿を出さないようにしたのは明らか。
錦戸が『ごめんね青春!』に出ていなかったことにされてしまっており、視聴者からは『テレビ業界、さすがにちょっと酷すぎやしないか』『錦戸くんは存在抹消しなきゃいけない犯罪者かなにかなの?』といった批判の声が相次いでいます」(テレビ誌記者)

 

放送当時、錦戸と満島のW主演作というふうに書いていたメディアもあったため「満島ひかり主演でも間違いではないのでは?」という指摘も一部で上がっているとのことだが、「TBSのドラマ公式サイトでははっきり『主演は錦戸亮』と書かれており、満島の名前は『主演の錦戸のほか、』の後で出てくるため、錦戸の単独主演作だったと考えるのが妥当」(同)という。

 

悲しいことにこうした”処置”は民放テレビでは珍しいことではないものの、さすがに「今回は行き過ぎ」と芸能記者は指摘する。

「『ごめんね青春!』を放送していたTBSも昨年1月、『ぴったんこカン・カン』で過去のTBSドラマを振り返る企画の際、錦戸や山下智久の出演シーンを出さないという編集が一部ファンの間で話題になったが、さすがに主演の名前を変えるといった”歴史改変”まではしていない。
日テレは今年からKing & Princeの冠番組が始まり、現在はなにわ男子・道枝駿佑やKing & Prince・神宮寺勇太の主演ドラマが放送中。
恒例の『24時間テレビ』のメインパーソナリティも嵐・二宮和也ら『ジャにのちゃんねる』の面々と、ジャニーズとはべったりなので、過剰に忖度してしまったのだろうが、忖度しすぎるあまり、感覚が麻痺してしまっているのではないか。
もっとも、フジテレビは『TOKIOカケル』で何度も元TOKIOの長瀬智也の映像を流すなど、ジャニーズと円満退所できた人間は明確に扱いが違うこともあり、テレビ局の意思だけだったとも考えにくい」

 

日本テレビといえばここ最近、Da-iCEやBE:FIRSTといった”非ジャニーズ”の冠番組も始まっているが……
あれが実現しているのにはカラクリがあるという。

「あれは編成部ではなく、別の事業部が持っている枠だそうです。
具体的にはLDHとの協業と同じで、一緒にイベントをやったりIPを共同で作ることで、その儲けを日テレとアーティスト側とで分配する仕組みになっており、そのプロモーションのための番組という位置付け。
日テレには収益が入るし、アーティスト側としては”ジャニーズ忖度”のためなかなか出られない地上波で冠番組を持つことができ、知名度拡大が期待できるというwin-winの構造です。
編成が口出しできないため、”非ジャニーズ”の男性グループでも地上波で冠を持てるという、”抜け道”のようなものですが、コロナ禍で広告費が先細る中、こうした座組みの番組は増えていくのでは」(芸能事務所関係者)

 

来年1月期には関西テレビ制作・フジテレビ系列の放送で草彅剛の主演ドラマが決定しているものの、一部報道では、ジャニーズ事務所との関係性を考えて出演を躊躇する芸能事務所もあり、キャスティングが難航しているとも言われている。
令和4年の今も、地上波テレビにおけるジャニーズ帝国の影響力は絶大のようだ。