サービスの本格的な開始が始まっている「ahamo」「povo」「LINEMO」のキャリア各社の新料金プラン。

 

これらの特徴は若手ユーザーにターゲットを絞り、プラン発表時に“オンライン限定”の契約方式とした点だろう。
しかし、さっそくある1社が店頭サポートを開始した模様。
今回は、その詳細と背景に隠された事情について考えていきたい。

 

2020年度の菅内閣発足から見直しの流れが加速した、携帯料金の見直し。
中でも、大手3キャリアがそれぞれ立ち上げた新プランが大きな注目を集めている。

 

ドコモの「ahamo」、auの「povo」、ソフトバンクの「LINEMO」は、各社ともに料金や使用可能な通信量に大きな差はなく、おおむね足並みをそろえる形となっている。
契約という面で見れば共通の特徴が、オンライン限定という点だ。
注文をオンラインのみに絞り、店頭の人件費や、諸経費をカットすることで安価な料金設定を実現していると考えられる。

 

しかしこのオンライン限定という縛りが、サービス開始からわずかひと月ばかりでさっそく崩れ始めているようだ。

 

ドコモが、4月22日よりahamoに関する店頭サポート「ahamo WEBお申込みサポート」「ahamo WEBお手続きサポート」を開始した。
1回3,300円の料金を支払うことで、店頭でスタッフから新規契約や契約後の各種手続きについてのサポートを受けることができるようだ。
契約方法に不安のあるユーザーからすれば、嬉しい発表である。
しかし、このサポートの注意事項を詳しく見てみると「お申込み時の端末操作はお客さまご自身で実施いただきます。お手続きの補助を行うスタッフはお客さまの端末操作画面を拝見し、必要に応じて操作のご案内を行います」とある。

つまり「店頭スタッフが契約を行なってくれる」というものではなく、あくまでも「契約のための操作自体はユーザー本人が行い、店頭スタッフはアドバイスに徹する」というもののようだ。
そこまでしてくれるのならば、もはや契約を代わりに行なったほうが早いのでは…とすら思えてくる。
最初にオンライン限定を強く打ち出したばかりに、引くに引けなくなっているのかもしれない。

 

逆に言えば、それだけahamoの店頭サポートを望む声が多かったということか。
ドコモとしても余りの反響に無視ができず「やむを得ず」の対応となったのだろう。
このニュースを受けてネット上では、「わざわざショップに行かないと契約変更も出来ないような人が、使うプランではない」や「安いという情報だけ聞いて、申し込み方も設定もわからない人が結構ドコモショップにも行ってるんだろうなぁ…」などという反響が寄せられている。

 

業界最大手のドコモが店頭サポートを始めたということは、今後ソフトバンクやauも続く流れも十分考えられる。
しかし、店頭サポートの定着によるコストの増加で、料金自体が値上がりすることになれば本末転倒。
過剰なサービスをそぎ落とし、料金を下げるというビジネスモデルは「お客様は神様」精神の根付く日本では難しいのかもしれない。