フジテレビ「料理の鉄人」などに出演し、人気を博した料理研究家の神田川俊郎(かんだがわ・としろう、本名大竹俊郎=おおたけ・としろう)さんが25日早朝、死去した。81歳。京都市出身。
神田川さんは今月16日、体調を崩して大阪市内の病院に搬送。
検査の結果、新型コロナウイルスへの感染が確認され、治療を受けていた。
神田川さんは明治時代から続く京都の老舗うなぎ店に、6人きょうだいの5番目として生まれた。
神田川姓を名乗ったのはこの店の屋号にちなむ。
近所の料理店で手伝いをするようになり「神田川のぼん」と呼ばれた。
17歳で入った大阪の料亭でしごかれた。
先輩に出刃包丁で頭を叩かれ血が出たことも。
その経験が確かな腕を育てた。
生涯で弟子は約700人。
複数の料理店を手掛けたほか、全日本調理師協会の名誉会長を務め、後進の育成にも尽力した。
道具にもこだわりがあり、大阪・堺の包丁を愛用。
取っ手のない「やっとこ鍋」を数十種類使い分けた。
店では芸人顔負けと言われた話術や、持ち前の派手な調理でも魅了した。
昆布の根元を一日漬けたコップ1杯の水を朝欠かさず飲むなど健康にも気を使っていた。
また2010年ごろ、40年以上連れ添った妻とすれ違いが生じ離婚したと明かしていた。