8月21、22日に放送された日本テレビ系『24時間テレビ44 想い~世界は、きっと変わる。』の 、番組を通しての平均世帯視聴率が12.0%、平均個人視聴率が7.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが明らかになった。
昨年の世帯視聴率15.5%、個人視聴率8.8%をいずれも下回る結果となった。

 

さらに、番組終了時点の募金額は4億2102万9826円で、これも昨年の番組終了時の募金額5億5200万5762円を下回っている。

 

数字を見る限りでは、昨年よりも注目度が低かったと言わざるを得ない今年の24時間テレビ。
その背景には、東京五輪の影響もあったようだ。

「今年の24時間テレビは、全編通してアスリートの企画が多かった。
東京五輪のメダリストだけでなく、過去の五輪メダリストも数多く登場していました。
でも、アスリートはトークが上手いわけでもないし、リアクションがいいわけでもないので、生放送に出たところで、どうしても微妙な空気になってしまうことが多いんですよね。
視聴者だって、アスリートが試合で活躍している姿は見たいけど、テレビの生放送で居心地悪そうにしている姿なんて見たくないですよ。
そういったところが影響して、視聴者離れにつながったのかも知れません」(テレビ局関係者)

 

コロナ禍により恒例のチャリティーマラソンは行われず、複数のランナーによるリレーマラソンが実施された。

「チャリティーマラソンはなんだかんだ言って、24時間テレビの目玉企画であり、ゴールの瞬間では一気に視聴率を稼げるんですよね。
チャリティーマラソンがないことも、視聴率低下の一因であることは間違いありません」(同)

 

さらに、チャリティーマラソンの代わりになるような目玉企画もほとんどなかった。

「アスリートや芸能人たちが、さまざまな困難に立ち向かう人々のもとに行き、何らかのチャレンジをする、というお馴染みのロケ企画をただただ並べているだけの構成でした。
チャリティーマラソンの穴を埋める努力が一切感じられず、手抜きだったとさえ言えると思います。
年々注目度が下がっている24時間テレビに対し、制作サイドのモチベーションの低下が露呈した内容だったと思います」(同)

 

制作サイドの意欲が失せているのであれば、24時間テレビの存続の危機ともいえるはずだ。

「日テレ社内では24時間テレビなんてやりたくないという意見は多いと思いますよ。
でも、44年も続けている看板番組だし、そう簡単に終わらせることもできません。
日テレはメンツを重視するテレビ局だし、終わらせるにしても“視聴率が取れなくなったから、おしまい”とはいかないでしょう。
あるとすれば、あと6回やって50回の節目で終了、というパターンかもしれない。
ただ、現場の日テレ局員の本音は“もう今年で終わり”がベストなのだと思いますけどね」(同)

 

終了に向けてのカウントダウンが始まってもおかしくない状況の24時間テレビ。
これからどう“落としどころ”を見つけていくのかにも注目だ。