5人組バンド「もんた&ブラザーズ」として「ダンシング・オールナイト」(80年)のヒットなどで知られるシンガー・ソングライター、もんたよしのりさん(本名・門田頼命=かどた・よしのり)が18日朝、大動脈解離のため亡くなったことが22日、分かった。72歳。兵庫県出身。
公式ブログで所属事務所が発表した。
独特のハスキーボイスで一世を風靡(ふうび)した個性派歌手がこの世を去った。
発表では「あまりにも突然のご報告となりますが、10月18日朝、もんたよしのりは大動脈解離で永眠いたしました。72年の生涯でした。本人の希望通り親族のみでの葬儀を執り行い、とても穏やかな顔で旅立ちました」と報告した。
さらに「あんなに元気でいつもパワフルだったもんたが、天国へ向かうなんて、今もまだ信じられない気持ちでいっぱいです。もんたと共に過ごした長い年月が、まるで走馬灯のように蘇ってきます」としつつ「今はまだ気持ちが追いつかない状態ですので、少し先になるかと思いますが、お別れの会を開催する予定です。ファンの皆様、関係者の皆様、もんたの音楽や生き様を愛してくださった皆様、長い間応援していただき、本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます」とつづられた。
もんたさんは71年に上京し、ソロ歌手としてデビュー後、鳴かず飛ばずの時期も経験したが、80年に「もんた&ブラザーズ」を結成して“再デビュー”すると、「ダンシング・オールナイト」が160万枚の大ヒットを記録。
一躍スターダムを駆け上がり、同年のNHK紅白歌合戦にも出場した。
83年には、大橋純子とのデュエット曲「夏女ソニア」を発売し、さらに西城秀樹さんの「ギャランドゥ」を作詞作曲するなど幅広く活動。
84年にバンド解散後には役者活動も行うなど、幅広く活躍。
日本テレビ系「THE夜もヒッパレ」でも、持ち味のハスキーボイスでさまざまなアーティストの楽曲を歌い、お茶の間の人気も集めた。
もんたさんは大阪府北部の住宅街で暮らし、近所からも知られていた。
近所の住民によると、18日ごろ、家族があわただしく出入りする姿を見かけたという。
大阪を拠点に活動。
近年は、出身の神戸でのライブや、地元大阪のラジオ番組にも定期出演。
今年も8月29日にはチキンジョージでライブを開き、FM COCOLO「MARK’E MUSIC MODE」に月1回ゲスト出演していた。
同局によると、今月はまだ出演しておらず、交渉中のままだったという。
9月26日には、NHK大阪ホールから生放送された「うたコン」にも出演し、自身のヒット曲「ダンシング・オールナイト」と、もんたさんが作詞・作曲し、西城秀樹さんがリリースした「ギャランドゥ」を新浜レオンと披露していた。
同番組の関係者によると、もんたさんは、久々の生放送歌番組への出演だったといい「お元気でしたし、もんたさん自身、楽しまれているような感じでした」と振り返った。
また、同番組は10月3日に再放送されており、その前日2日には、もんたさんが自身のブログを更新。
「久々の生放送と言うことで、少しは緊張するかと思いきや、そうでもなく」などと記し、その帰路には近くのすし店で夕食をとったと報告。
久々の生放送出演で、知人から「トレンド入りしている」と連絡をもらい、大勢の人に「俺の歌に反応してもらえたようで、めちゃめちゃ嬉(うれ)しくて、嬉しさが全身を駆け巡るようだった」と吐露。
「こんなご褒美もらえるねんなぁ~! 又(また)、がんばろうと素直に思える」などと、感謝の思いを書き込みつつ、番組の再放送をPRしていた。
【もんたよしのり 本名門田頼命(かどた・よしのり)】
1951年(昭26)1月8日、兵庫県生まれ。71年にシングル「この足の鎖ひきちぎりたい」でソロ歌手デビュー。
80年に「もんた&ブラザーズ」として再デビューし、「ダンシング・オールナイト」のヒットで、同年のNHK紅白歌合戦に出場。
83年、作詞作曲を手がけた西城秀樹さんの「ギャランドゥ」がヒット。
84年にバンド解散後、映画「愛しき日々よ」で主演など役者活動も。
日本テレビ系「THE夜もヒッパレ」などバラエティー番組などでも活躍した。
長女は元歌手の門田こむぎさん。
【もんた&ブラザーズ】
メンバーは、もんた、豊島修一(ギター)高橋誠(ギター)林政宏(キーボード)渡辺茂(ベース)ブレイシー・マーティン・キース(ドラム)。
80年に結成し「ダンシング・オールナイト」が160万枚のヒット。
年間130本のライブをこなしスターダムに。
同年「赤いアンブレラ」、81年「DESIRE」などのヒットを出したが84年に解散。
07年に再結成し、ライブも行った。