17日放送の最終話で20%に迫る視聴率で幕を閉じた『VIVANT』(TBS系)。
続編を匂わせる演出と、福澤克雄監督(59)がファンミーティングで口にした「僕の中では第3部まで考えて作っている」という発言に、視聴者の間で早くも続編待望論が高まっている。
その余韻を残したまま、同枠の日曜劇場では10月15日から鈴木亮平(40)主演の『下剋上球児』が始まる。
モンゴルを舞台に海外ロケ満載で壮大なスケールのドラマから一転、今度は廃部寸前の弱小野球部で下剋上を目指す高校教師の泥臭いスポ根ドラマとなる。
ドラマファンの間では
《さすがの鈴木も『VIVANT』の後はかなり苦しいだろう》
《比較される鈴木が気の毒》
《黒歴史にならなければいいけど》
といったネガティブ声が聞こえてくる。
しかし最近の鈴木を改めて検証すれば、『下剋上~』はそんな下馬評を覆すだろう。
例えば21年7月期、『東京オリンピック2020』開催中の中継を縫うように鈴木主演の『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(TBS系)がオンエアされたが、平均視聴率は『VIVANT』より僅か0.7ポイント低いだけだった。
自国開催のオリンピックの裏番組ともなれば、特に連続ドラマにとっては視聴率が厳しくなるのは当たり前だ。
それでも『TOKYO~』最終話も今回の『VIVANT』より0.1ポイント下回っただけだった。
さらに今年4月28日公開の『劇場版 TOKYO~』は3カ月弱で観客動員数340万人超えを記録、興行収入も45億円を突破。
数字はいまだに伸び続けており、配給元の東宝もホクホク顔だと言われている。
ドラマ制作関係者を取材するとこんな声も聞こえてきた。
「TBS局内を取材すると、『下剋上~』を応援する声が圧倒的なのを感じます。
その要因は制作費の問題です。
『VIVANT』は実に10億円近い制作費がマスコミでも話題になりましたが、『下剋上~』はその半分以下とも噂されていて”懐に優しい”ドラマなんです。
中には『VIVANT』に、”あれだけの役者を揃え、金をかけたのに視聴率20%を超えなかったのは大失敗だろう”なんて辛辣な声も。
視聴者の期待する『VIVANT』続編待望論とは違って、局内の風向きは『下剋上~』推しなんです」
福澤監督が言うように第2弾、第3弾……さらに劇場版の製作をも考えればやっぱり『VIVANT』が稼ぐ数字は『下剋上~』とは雲泥の差なのかもしれない。
TBSは過去に同じ”高校野球”という題材で08年に『ROOKIES』を制作したことがある。
出演者は佐藤隆太(43)、市原隼人(36)、城田優(37)、佐藤健(34)で、ドラマの平均視聴率は14.96%、最終話は19.5%だった。
09年公開の劇場版『ROOKIESー卒業ー』は85.5億円の興収を残した。
最終話に向けて話題性も加速していった『VIVANT』と大化けする可能性を秘めた『下剋上~』、はたして視聴者はどんな判断を下すのだろうか。