中古車販売業界第2位の「ネクステージ」が、店舗に“成績表”を張り出し、社員に過度なプレッシャーを与えていた疑いがあることが「 週刊文春 」の取材でわかった。

 

ネクステージを巡っては、「週刊文春電子版」が 9月6日配信の記事 で複数の不正を報じているが、こうした厳しいノルマが不正の温床になっていたおそれがある。

 

中古車販売業界第1位のビッグモーターが保険金不正請求問題で揺れる中、2位のネクステージにも不正が発覚し、業界に激震が走っている。 

 

タイヤがパンクしているかのように見せかける、営業が保証サービスを売るために「タイヤが古くなったら、パンクさせればいいんですよ」と客に“悪知恵”を吹き込む──「週刊文春」が、ネクステージ側が認めたこうした事実を報じると、同社の株価は急落。
配信当日、一時はストップ安水準となる前日比700円(20%)安の2770円まで下落した。

 

ネクステージは、2030年までに「売上高1兆円」の目標を掲げている。
その背景にあるのは「ビッグモーターよりエグい営業」(現役社員)だ。

「ノルマがあまりにきつすぎて、不正をしないと追いつけないんです」(同前)

「数字を達成できないやつはクズ扱いされました」(別の現役社員)

 

今回、「週刊文春」は不正の温床となった同社の“激詰め”の様子を示す決定的証拠を入手した。

 

店舗内の壁一面に掲げられたホワイトボード。
そこにずらりと掲示されているのが、各社員が「その月に付帯サービスをどれだけ販売できたか」を示す“成績表”だ。

 

ここに示されているのは、九州地方にある営業店舖の2022年11月の販売実績。
左端には社員の名前、その横に、当人のその月の車両販売台数が明記されている。

 

成績表には、中古車販売に加え、「保証」「タイヤガラス」「コーティング」など付帯サービスの目標値が記されており、目標割合に達している項目は「黒」、そうでないものは「赤」でわざわざ色分けされて記されている。

 

「誰がどれだけ売っているかが一目瞭然。成績の悪い社員にとっては屈辱的な光景です」(店舗に勤務していた元社員)

 

ネクステージに“成績表”とノルマについて聞くと、

 

「保険や付帯サービスに対するノルマはございませんが、KPIを設定しています。
KPIは活動プロセスを管理する指標であり(中略)受けた教育が正しく実施されているかを確認するために設定しております」

 

また、付帯サービスの獲得率を店舗が貼り出していることについては事実を認めた上で

「プロセスチェックの見える化を目的としております」。

 

現在配信中の「 週刊文春電子版 」では、ネクステージ社員を追い詰める“激詰めノルマ”の詳細、「達成できないやつはクズ扱いされる」という保険販売を巡る同社の実態などを証拠写真と共に詳しく報じている。