ガソリン200円時代に突入か──。

 

経産省が9日発表したレギュラーガソリン価格は全国平均で1リットル=180円30銭と15年ぶりの高値となった。
政府の補助金により6円抑えられたという。
しかし、これはまだ序の口だ。
すでに高速道路のサービスエリアなどでは200円を超えている。

 

「OPEC(石油輸出国機構)の最新データによると、サウジアラビアの減産などの影響で7~9月の世界の需給は、日量200万バレル超の大幅供給不足に陥る見通しです。
米経済は好調で、デフレに陥っている中国も政府が必死で景気刺激策を講じ、いつ息を吹き返してもおかしくない。
原油需要は旺盛です。
足元の原油価格は1バレル=80ドル台前半ですが、この先、100ドルに近づく可能性は十分あります」(市場関係者)

 

ロシアによるウクライナ侵攻後の2022年春、原油価格は1バレル=100ドル超まで跳ね上がったが、この時の為替は1ドル=118~133円だった。
しかし、足元では145円を挟む円安が進行している。

 

「政府の補助金は6月から段階的に縮小されており、10月にはなくなる予定です。
補助金総額はすでに3兆円を超えており、財務省は延長に難色を示している。
原油高、円安、補助金終了の“トリプルパンチ”により、ガソリン価格は200円を突破する可能性が高い」(石油業界関係者)

 

統計で比較できる範囲でガソリン価格の最高値は08年8月4日の185円10銭だ。
最高値を更新し、200円を突破すれば、大きなインパクトだ。

 

金融ジャーナリストの森岡英樹氏が言う。

 

「補助金は予定通り終了するとしても、岸田首相はいくらでも手は打てるはずです。
トリガー条項を発動すれば、1リットル=25円ほど下げられる。
二重課税との批判が根強い消費税をガソリンに限って時限的に0%にすれば、20円近くの値下げになる。
ガソリンは身近なだけに、動いても、何もしなくても目立ちます」

 

岸田首相がノーアクションなら、ガソリン価格の上昇に反比例して、支持率がガタ落ちするのは必至だ。