岸田文雄首相の長男で首相秘書官を務める岸田翔太郎氏(32)が、親戚一同とともに昨年末に首相公邸で忘年会を開き、その際、賓客を招く公的なスペースなどで写真撮影に興じていたことが取材で分かった。

 

入手した写真の日付はいずれも昨年12月30日のものだ。翔太郎氏の知人が語る。

 

「この日は、岸田家の親戚あわせて10人以上が首相公邸に集まり、忘年会が開かれたそうです。
現在、岸田首相は公邸で、翔太郎氏と2人で暮らしている。
ご一行にとっては“親戚の家に遊びに来た”というノリだったのでしょう」

 

親戚の気安さゆえか、赤じゅうたんの敷かれた階段に寝そべっている写真や、新閣僚がズラリとひな壇に並ぶ様子を模した写真もあるなど、やりたい放題の様子がうかがえる。

 

「寝そべっている男性は、岸田首相の甥で翔太郎氏の従兄弟にあたるA氏です。
A氏の父親は岸田首相の3歳下の実弟で、外国人の国内労働を支援する『フィールジャパンwith K』代表取締役の武雄氏。
母親はスナック菓子で知られる『湖池屋』創業者の長女と、“華麗なる一族”の家系です。
本人は20代半ばで、関西の大学を卒業後、現在は愛知の商社に勤務しています」(同前)

 

翔太郎氏といえば、これまでも外遊時の公用車を使用しての土産購入や観光疑惑が国会で問題視され、公私の別のなさや脇の甘さが指摘されてきた。
ひな壇写真でも首相の位置に立ち、今回の騒動でも中心人物なのは明らかだ。

 

首相公邸はただの“親戚の家”ではない。

 

「2021年、野党議員の質問主意書に対して政府が公表した答弁によれば、公邸は『内閣総理大臣の職務の能率的な遂行を確保し』『国の事務及び事業の円滑な運営に資することを目的とする施設』とされています。
もちろん首相の私的な居住スペースもありますが、迎賓や執務機能も備え、オンラインでの首脳会談が行われることも。
万全の警備体制が敷かれ、年間の維持費は約1億6千万円とされています」(官邸担当記者)

 

さらに、ある官邸関係者はこう顔をしかめるのだ。

 

政治アナリストの伊藤惇夫氏が呆れる。

 

「首相が公邸に客を呼ぶことはありますが、あくまで職務に関わる話をするため。
公邸で宴会なんて聞いたことがない。撮影された写真は“公邸見学”の域を大幅に超えており、常識的には考えられません」

 

岸田事務所に質すと、こう回答があった。

 

「公邸の居住については、決められたルールと手続きに基づき適正に使用しているところです」