5月23日、警視庁は西武ライオンズの山川穂高選手(31)を強制性交等の疑いで書類送検した。

 

山川には、昨年、東京都港区のホテルの一室で、A子さん(20代)の衣類を無理矢理脱がし、陰部を強く触るなどした疑いが持たれている。
A子さんは膣内や下半身などに怪我を負い、シーツには血の跡が点々とついていたという。

 

「山川は昨年、東京都港区のホテルの一室で、現在は歯医者の受付をしている女性A子さん(20代)の衣類を無理矢理脱がし、陰部を強く触るなどしたようです。
A子さんが強く抵抗したせいか、A子さんは膣内や下半身などに怪我を負い、シーツに血の跡が点々と残っていたとも聞いています。
山川はA子さんに謝罪し、医療費の負担などを申し出ている。
しかしA子さんの心の傷は深く、被害の数日後には警察に駆け込んだようです。
山川はWBCが終わった直後に警視庁に呼び出され、事情聴取を受けています」

 

山川は既婚者だ。
2017年に大学時代の先輩だった元ソフトボール選手の女性と結婚し、ウェディング会社のウェブサイトには結婚式の様子が掲載されている。
まだ小さな娘もおり、Instagramでは仲睦まじい家族風景を投稿してもいる。

 

なぜA子さんとホテルへ行くに至ったのだろうか。

 

事件があった日、2人はまず港区の高級焼肉店で食事をしていた。
前出の捜査関係者によると、「山川はA子さんに対しワインなどの酒を積極的にすすめていたようだ」。

 

「その後、山川から2次会に誘われたA子さんは知人の店を予約したが、山川が『野球選手で顔が割れているから』などと別の店『X』を予約し、そちらへ行くことになった。
スキャンダル報道などを警戒した山川は先に『X』へ向かい、A子さんはその後ろをついていった。
A子さんは『3階へ上がってきて、と山川から指示され向かうと、そこはホテルの一室だった。
最初はバーの個室なんだと思った』と主張している」

 

A子さんの主張に違和感があったため、記者は実際に「X」を訪れた。
「X」一帯は野球選手はもとより、経営者や芸能人などが夜な夜な集う華やかな土地柄だ。
表通りに沿って、洒落たバーがポツポツと並んでいる。そこに、「X」はあった。

 

「X」があるビルには飲食店が複数軒テナントで入っており、1階にはダイニングバーがあった。
植え込みで客のプライベートを守りつつも、大きなガラス窓越しからはボトルが並んだバーカウンターが見える。

 

奥のエレベーターを上がると2階には絵が飾られた空間があり、左右に間隔をあけていくつかのドアが並んでいる。
そのドアの先には客室があり、なかにはベッドやシャワールームが備えられている。
廊下は絨毯敷きでホテルだと言われればそう見えるが、一方で港区にありそうな“隠れ家個室”が売りの店にも思える。

 

前出の球団関係者はこうも明かしている。

 

「まずA子さんと焼肉店で食事をしたあと、二次会としてホテルの一室へ行ったと聞いています。
山川としては『他に店がなかったから』と主張していますが、A子さんは『知人の店を予約できたのに、山川に半ば強引に連れて行かれた』などと話しているようです」(同前)

 

警察の調べに対しても、両者の主張には食い違いがあるようだ。

 

「山川は『(性的な行為は)無理矢理でない』『親しい関係だった』などと話しているが、A子さんは『4回程度飲み会で同席しただけ』『何度も断ったが無理矢理押し倒された』と主張している」(前出・捜査関係者)

 

事件当日、2人の間に何があったのだろうか。

 

記者がA子さんに電話をしたところ、本人と思われる女性が出た。
取材の趣旨を伝えるとはっと息を呑んだようだった。
そしてすぐに嗚咽が聞こえてきた。

 

「申し訳ありませんが、今はお話をできる状態にありません……」

 

振り絞るようにしてその一言だけを発し、電話は切られた。

 

後日、A子さんの代理人弁護士に連絡をとると「被害届を提出していることは事実です。しかし警察が捜査中で、詳しい事情はお答えできません」とだけ語り、こちらの取材には応じなかった。

 

西武ライオンズに事実確認をしたところ、以下の回答があった。

 

「本人から女性とトラブルになっていることは報告を受けておりますが、弁護士に相談して対応しており、犯罪には該当しないと聞いております。
捜査状況について詳細な把握もできていないため、推移を見守りたいと考えています」

 

また、山川への球団としての対応については「球団のルールを逸脱したことに対し、すでに処分は科しておりますが、内容については控えさせていただきます」とした。

 

野球界を代表するトップ選手によるこの衝撃的な事件を報じたのは今月11日。
西武ライオンズは取材に対して「弁護士に相談して対応しており、犯罪には該当しないと聞いております」などと回答していたが、世間からの批判が高まるなか、12日に山川の出場選手登録を抹消。
「総合的に判断してコンディション的に抹消」したとのことだった。

 

強制性交での書類送検に至った経緯について、大手紙社会部記者が解説する。

 

「A子さんは被害から数日後に警察に被害届を提出。
これを受けて、警視庁はA子さんに聴取した後、WBCが終わるのを待って山川にも任意で事情聴取しています。
その後も双方への聴取を重ねて、書類送検に踏み切りました。

逮捕されてもおかしくない罪名ですが、著名人であることから逃亡などの怖れなしと判断して、任意で捜査し書類送検になったのでしょう」

 

これまでの取材によると、A子さんは強制わいせつ致傷で警察に被害届を提出している。
事件の当日、A子さんが強く拒否したため、性交自体はなかったとみられている。

 

「山川は警視庁の聴取のなかで、『けがをさせてしまったのは事実だ』としながらも『同意の上、性交しようとしていた』と主張している。
つまり性交を目的として、わいせつ行為に及んだということです。
強制性交罪は最後まで行為が行われなくても、性交行為の『着手』があれば、成立するケースがある」(同前)

 

一般的に、警視庁は送検する際に意見を付すのだが、今回は「相当処分」だったようだ。

 

「起訴を求める『厳重処分』ではなく、起訴するか否かは検察の判断に一任する、という警察側の判断です。
一方で、不起訴を求める『寛大処分』とはしなかったのは、警視庁の聴取に対して山川が『合意があった』と容疑を否認していることが影響しているとみられます」(同前)

 

山川は直撃取材に対しても、性的行為は認めた上で、「絶対に無理矢理ではない」と強く主張している。

 

起訴されるか、はたまた不起訴か――。今後の検察の判断に注目が集まる状況となった。

 

そもそも強制性交等罪は、2017年、従来の強姦罪から厳罰化される形で、被害者の告訴が必要の無い非親告罪となった。
重大犯罪であるが故に、多額の金銭の支払いなどで和解したとしても罪に問えるようにする狙いからだ。

 

「ただ、今回の件は世間的にもかなり注目されていますし、選手登録を抹消されるなど山川のダメージはかなり大きい。
一定の社会的制裁を受けていると見ることもできます。
ゆえに通例どおりであれば、起訴の可能性は低いのではないでしょうか。
また示談に持ち込めば不起訴の可能性がより高まる」(同前)

 

非親告罪とはいえ、検察の判断にはA子さんとの示談が成立するか否かが影響するようだ。
しかし、ある捜査関係者はこう明かすのだ。

 

「和解は少なくとも現段階では成立していません。
一般的には、性被害においては和解に至ることも少なくない。
法廷で争うのは、被害者への負担があまりに大きい。
衆人環視のもとで被害状況について被害者自ら語る必要があるうえ、勝訴したところで慰謝料はスズメの涙、ということもありえる。

 

しかし山川の態度が硬化しており、『無理やりではない』という主張をどうしても崩さない。
ただ、本人がどのように考えていようが、A子さんがけがをしている状況から見ても山川側はかなり不利。
A子さん側も被害届を出すくらい、処罰感情が強いわけですから。
山川の『無理やりではない』という主張を受け入れる可能性は低いのではないか」

 

もし起訴となれば、強制性交罪は懲役5年以上と重いため、一発実刑もありえる。
そうなれば選手生命が絶たれるどころの話ではなくなる。
不起訴だとしても、既婚者でありながら独身女性と性的な行為を行っていたことについてのダメージは相当に大きいだろう。

 

今回の一件で、山川同様にイメージダウンしたのが、所属球団である西武ライオンズだ。

 

「報じられてから、球団のコールセンターには苦情が殺到しています。
報じられた当日は『なぜ、山川を出場させ続けるのか』といったものが非常に多かったと聞いています。
メディア各社への取材対応もあり、球団は疲弊しています。
主砲山川の不調・不在もあり、現在はリーグ5位に低迷しています」(球団関係者)

 

スポーツ界のコンプライアンス問題に詳しい弁護士が語る。

 

「野球界は古くから有名選手を含め、女性問題などを起こし続けてきました。
サッカー選手と比較しても、大きな問題を起こすケースが特に多い。
これは野球業界全体が意識をアップデートできておらず、旧態依然とした女性観や特権階級意識などがはびこっている証左ともいえるでしょう。

昨今コンプライアンスの重要性が訴えられるなか、西武でも選手らを対象にした外部による講義なども行われています。
しかしこれほど“効果”がないのであれば、形骸化しているのではないかと訝しんでしまう」

 

直撃取材において、山川選手は今回の件について「結構大事な事件になってしまって」と語っているが、時折り笑みを浮かべながら応対するなど、深刻さに欠けている印象も受けた。
一体どこまで事態の重大性を認識しているのか。

 

前出の弁護士が続ける。

 

「実際に和解できなかったら、起訴されたら、その後にどうなるかがまったく分かっていないように感じます。
トップ選手がこのようになってしまったことについて球団の責任もある。
山川選手は大卒ですが、球団には高卒の選手も多く、学校や社会で学ぶべきことを学ばずに野球だけに邁進してきた選手がほとんどでしょう。
球団には、そんな彼らを社会人として教育する義務があるでしょう」

 

野球界のトップ選手による一大スキャンダル事件は新たな段階に進み、各所でさまざまな波紋を起こしている。
山川に対する東京地検の判断に注目が集まる。