女優の広瀬すずと嵐の櫻井翔が今月12日、都内でダブル主演映画『ネメシス 黄金螺旋の謎』(入江悠監督)の大ヒット御礼舞台あいさつを行った。

 

日本テレビで2021年4月クールに放送されたドラマを映画化した同作。
探偵事務所を舞台に、天才的なひらめきで事件の真相を見破っていく探偵助手(広瀬)と、ポンコツだが人望に厚い自称天才探偵(櫻井)が、さまざまな依頼に挑んでいくミステリー作品で、3月31日に公開されていた。

 

櫻井と広瀬が初タッグを組んだが18年公開の映画『ラプラスの魔女』だったので、櫻井は「(『ラプラス~』は)5年前の作品ですが、それ以来映画は『ネメシス』までやってないので櫻井翔映画史でいうと〝広瀬100%〟広瀬すずとしか映画をやっていない。5年もたって、同じ作品で一緒にスクリーンに映れるのはうれしく思います」と、若干わかりづらい表現で、広瀬との再タッグに対する喜びを表現。

 

一方、広瀬は「尊敬する部分が本当にたくさんある先輩。また5年後、〝広瀬200%〟にできるように、ご一緒できるように頑張ります」と笑顔でアンサーを返し、二人の絆を演出たのだが……。

 

「『ラプラスの魔女』は東野圭吾さんのベストセラー原作の実写版です。
公開時、広瀬は上り調子で、櫻井も嵐が活動休止前の全盛期。
そんな2人がタッグを組み、当時人気があった福士蒼汰も投入していたため大いに期待されました。
ところが、小説では主人公ではない、櫻井演じる大学教授をメインに据えるなどの改変があり、興行収入は14億円までしか伸びず。
これまで東野作品の映画化はどれも大ヒットしてきただけに、見事に関係者のアテが外れてしまいました」(映画業界関係者)

 

そんな広瀬と櫻井が再びタッグを組んだのが『ネメシス』のドラマ版だったが、もともと、映画化ありきでスタートしていた企画だったとも。

 

「ドラマも手掛けたプロデューサーは慶応大学で櫻井とは同級生、しかも広瀬の代表作となっている映画『ちはやふる』シリーズを手掛けた。
入江監督とも映画『AI崩壊』などでタッグを組んでいる。
映画化を見据えた布陣で望んだもののドラマは、初回こそ11%台で二桁を超えたがその後失速。
全10話の平均世帯視聴率が8.6%と期待値には届かなかったため、局内では映画化の客入りを危惧する声があがっていた」(日テレ関係者)

 

3月31日~4月2日の『国内映画ランキング』(興行通信社提供)では3位に初登場し、初日から3日間で動員16万2000人、興収2億円を記録したものの346館の大規模公開館にしては物足りない数字となった。
そして、翌週4月7日~9日の同ランキングでは6位にダウン。
2週目までの興収は4億円ほどですっかり失速。
ヒットの基準である10億円に届かなそうだと危惧する声もあがっている。

 

「要因はいろいろ考えられるのですが、ドラマ版では入江監督も脚本を手掛けたり、ミステリー作家に考証に参加してもらうなどしていましたが、映画版は脚本家にまかせていて、肝心のストーリーがイマイチだったからという声もありました。
また、配給はワーナー・ブラザーズですが宣伝会社は外部の会社を使っていて、PR活動もうまくいったとは言い難い。
ただそもそもドラマの時点で、オリコンによる『ドラマ満足度ランキング』などでも低評価が続き、途中からは圏外に。
作品のポテンシャルが有料コンテンツに耐えうるものではないことはわかっていた。
それでも契約が映画化ありきただったため、むしろなんとかここまでこぎつけたともいえそうです」(前出の映画業界関係者)

 

日テレ局内ではもともと期待もされてなかっただけに、敗戦処理感がいなめない今回の映画化。
この分だと、ドラマも映画も続編はなさそうだ。