米倉涼子が天才外科医・大門未知子を演じる人気ドラマシリーズ『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)の映画化が決まったと、4月13日発売の「女性セブン」(小学館)が報じている。

 

2012年に始まった『ドクターX』は、2021年10月期の最新シリーズまで、現在第7シリーズが放送されている。
テレビ朝日としては第8シリーズの制作を企画していたが、米倉がそのオファーを断っていたという。

 

「米倉さんは自身に『ドクターX』のイメージが強くつきすぎることを拒否していたそうです。
20年にオスカープロモーションを退社したのも、自分がやりたい仕事に専念するためという目的があり、『ドクターX』はそのやりたい仕事に入っていなかった。
『ドクターX』の映画化の話そのものは結構前からあったんですが、米倉さんの意向もあり、話は動かなかったんですね。
それが、ここにきて映画化が実現するというのは、ちょっと意外でもあります」(ドラマ関係者)

 

オスカー退社後は、海外進出も視野に入れていた米倉。
22年にはミュージカル『CHICAGO』の主演としてブロードウェイの舞台に立つ予定だったが、急性腰痛症及び仙腸関節障害による運動機能障害と診断されたため降板した。

 

「退社後の活動は、決して米倉さんの思惑通りではなかったのはたしかでしょう。
体調不良による降板とはいえ、かなりショックを受けていたのは事実だし、その後のキャリアに関する計画も軌道修正せざるをえなかったと思います」(芸能事務所関係者)

 

独立後の仕事としては、22年1月配信のNetflixドラマ『新聞記者』と、23年3月配信のAmazonプライム・ビデオ『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』でそれぞれ主演を務めている。

 

「2つの配信ドラマは、『ドクターX』とは異なるスタイルの作品であり、米倉さんの新たな一面が垣間見られるものです。
ただ、新聞記者や国際霊柩送還士という特殊な職業を描く作品であるという点では、『ドクターX』と同じ職業ものとしてカテゴライズすることもできる。
ちょっと意地悪な言い方をすれば、職業が変わっただけで、米倉さんの演技はあまり変わっていないとも言えます。
そして『ドクターX』の映画版にも出演するとなれば、米倉さんの“職業もの俳優”というイメージは、さらに強まっていく。
ブロードウェイ進出が頓挫した中で、仕事を選んでいられないという状況もあるのでしょうが、米倉さんの懊悩が見え隠れする最近の仕事ぶりだと思います」(同)

 

米倉本人としては悩ましい部分もあるのかもしれないが、一方で米倉の“俳優としての価値”は変わらず高いままだという。
映画関係者は話す。

 

「“職業もの”の作品を面白くできる俳優は、総じて評価が高いんです。
職業ものは、シリーズ化もしやすく、企画されることも多い。
それこそ『ドクターX』のように長く愛される作品になり、ドラマから映画という形で複数のメディアでの展開もある。
そういったところまで見据えた企画が多く、だからこそ失敗したくないというのが、制作陣の思いなんですよね。

それでいうと、米倉さんは『ドクターX』での外科医のほか、『リーガルV』シリーズでの元弁護士など、職業ものでヒットを生んだ実績があり、ドラマ界・映画界では『職業ものは米倉涼子に任せればハズレなし』という定説がある。
あれだけ存在感があって、老若男女問わず人気がある女優さんもあまりいないですし、おそらく今後も、米倉さんに職業ものの主演オファーはどんどん舞い込むと思います」

 

米倉が思い描いていたビジョンとは異なるものとなっているが、俳優としてのキャリアそのものは順調だと言える。
開き直って“職業もの”に注力すれば、米倉には向かうところ敵ナシだ。