人気グループ・Snow Manが主演する舞台「滝沢歌舞伎ZERO FINAL」(4月8~30日、東京・新橋演舞場)の製作発表会見が8日、都内で行われた。

 

作品を手がけていた元ジャニーズ事務所副社長の滝沢秀明氏(40)が昨年10月いっぱいで退社したことで、開催を危ぶむ声もあったが、メンバーの強い要望により上演を決定。
06年の「滝沢演舞城」から続いた人気シリーズは、9人が座長と演出を務める今作で幕を下ろす。

 

滝沢氏の退社後、作品の存続を巡り、9人は何度も話し合いを重ねた。

 

岩本照(29)は言う。
「長年この作品を愛してくださる方を裏切りたくない。
僕らには『やる』一択しかなかった。
『滝沢歌舞伎、やらなくなっちゃったね』みたいなのは一番嫌だった」。

メンバー共通の思いを事務所や主催に伝え、ファイナルという形で実現にこぎ着けた。

 

滝沢氏がタレント時代の06年、主演舞台「滝沢演舞城」として誕生した「滝沢歌舞伎」。
一躍人気シリーズとなり、当時ジャニーズJr.だったSnow Manも常連キャストに。
滝沢氏のもと演者としてのスキルをたたき込まれた。

 

12年には公演中に「Snow Man」の命名が発表された。
滝沢氏が18年末でタレント業を引退すると、座長を継承し「-ZERO」に生まれ変わった。
阿部亮平(29)は「Snow Manの歴史を語る上で欠かせない大事に思う作品。その締めをしっかり務めたい」と力を込めた。

 

“卒業式”となる今公演では、全員で初演出も手がける。
名物「腹筋太鼓」や桜吹雪など恒例のド派手演出のほか滝沢氏の主演時代の曲を使うプランもあり、感謝の思いを届けるつもりだ。

 

深澤辰哉(30)は「何度も怒られ何度も泣かされた。でも、お叱りがなければここまで大きくなれなかった。妥協せず、できることは全部やりたい」。
渡辺翔太(30)はテレビカメラに向かって「タッキー見てる?」と呼びかけた。

 

昨年4月、滝沢氏は23年公演について海外再進出の構想を明かしていた。
その夢はついえたが、岩本は「正直、悔しいですけど、可能性は無限に広がるという思いもある。別の形で日本のエンタメを海外に届けられる機会があればうれしい」。

 

いつか結実する日を夢みて、9人は有終の美を飾る。