お笑いコンビ「EXIT」の兼近大樹さんの件で今、業界が揺れている。

 

全国で相次ぐ闇バイト強盗事件の指示役であり、フィリピンを拠点とする特殊詐欺グループのメンバーである容疑者と兼近さんが過去に知り合いだったという事実が報道され、その影響で「EXIT」さんが出演する予定だったイベントが中止になるなど大きな反響を呼んでいる。

 

当の本人である兼近さんは過去に知り合いだったのは事実と認めているが、現在は接点が一切なく、今回の強盗事件への関与も否定している。

 

今回のニュースに対してネット上では「更生した人を責めるのは違う気がする」という擁護する声があがる一方で「許されたらあかんやろ」「兼近に騙されるな」という批判的なものもある。

 

この件に対して多くの芸人仲間やタレントの方々がコメントしており、ダウンタウンの松本さんは「兼近に頑張ってほしいなー」と応援する言葉をTwitterにて呟いていた。

 

皆さんはこの件をどう感じるだろうか?
多かれ少なかれ、過去に犯した過ちが現在の自分の人生を邪魔するという経験をしている人はいると思う。
それが兼近さんほどの有名人であり、過去に過ちという言葉では簡単に片づけられない「犯罪」を犯してしまった場合、その十字架は人一倍重くのしかかる。
しかも、どれだけ反省しても、どれだけ後悔しても、その過ちはまとわりついて未来への道を塞ごうとしてくるものだ。

 

兼近さんがあの芸風でなかったら、いや、もしお笑い芸人でなかったらここまで叩かれることはなかったのではないだろうか。
お笑い芸人は人を楽しませることが大前提で、人前でふざけるのが仕事だ。
人を笑わせる人間にとってネガティブな要素は極力排除するのが基本で、兼近さんやりんたろー。さんもテレビではネガティブな部分を見せずに笑いをとる。

 

しかも「EXIT」さんの芸風は悩みもなく、何も考えずにあっけらかんと人生を謳歌しているように見えて、そのうえ大金を稼いでいるとなると、嫉妬ややっかみの対象になるのは間違いない。
その結果、今回のようにマイナスプロモーションになるニュースが出た場合、やっかんでいる人間はここぞとばかりに責め立てるのだ。

 

先述した「兼近に騙されるな」という声はどういう意味なのだろうか。
現在の兼近さんは“パリピ”ではなく、実は好青年というギャップで人気を博しているため、その好青年という姿があくまでも表面上であり、本質は過去に悪い事をしていた頃と何も変わっていないという意味で「騙されるな」と言っているのだろう。

 

そういう声を上げている人たちは「反省しているふりをして、どうせ反省していない」と言いたいのだろうか。
確かに反省しているかどうかは本人にしかわからない。
つまり反省している可能性もあるということ。
心の底から後悔して、人生を立て直したいと思い、本気で努力しているかどうかなんて他人にはわからない。
わからないから「騙されるな」なんて安易に使って良い言葉ではないのだ。

 

そもそも誰しもが仕事の自分はどこか本当の自分とは違う自分で、したくないこと、言いたくない事を仕事だからと我慢して、自分の感情に蓋をするなんてざらにある。
つまり仕事上の付き合いしかない人には、素の自分を隠して接している、つまり騙しているということになるのではないか。

 

さらに、芸人やタレントに限らず、我々のような一般人も、仕事で求められていることをきちんとこなしていれば、プライベートで何をしようが自由だ。
現在進行形で人に迷惑をかけたり、人道を外れたり、犯罪を犯していなければ他人に文句を言われる筋合いはないのだ。

 

ちなみに「EXIT」さんレベルの忙しさなら、寝る間も惜しんで働いているのは間違いない。
人を楽しませる為に自分の時間を削り、人生のすべてをお笑いにかけている今、プライベートな時間なんてほとんどないのではなかろうか。
だからもしかしたら我々一般人より、仕事とプライベートの境目が無く、誰よりも他人を騙していない可能性すらある。

 

兼近さんは元々が素行不良で、品行方正な人物だったとは言えない。
叩けばほこりが嫌というほど出てくるだろう。
これからもどんどん過去の自分に苦しめられるはずだ。
その都度反省すればいい。
だが、先ほども書いたが、本当に反省しているかどうかなんて本人にしかわからないのだから、お笑い芸人が人前で反省の色なんて見せる必要はない。
反省した暗い顔なんて芸人にとっては邪魔だ。

 

過去に悪い事をした芸人は、これからの人生を真面目に生きて、不真面目に仕事をすればいい。
誰に何を言われようとテンションぶち上げでいくしかないんだから。