「名作になり損ねた」というのが読者の正直な感想か……。
11月16日発売の「週刊少年マガジン」(講談社)にて、累計6500万部を突破している大人気マンガ『東京卍リベンジャーズ』がついに最終回を迎えた。
同作は、人生どん底のフリーター・花垣武道(タケミチ)が、中学時代に付き合っていた人生唯一の恋人・橘日向を救うため、12年前の中学時代にタイムリープするところから始まる物語。
タイムリープ能力によって過去を変え、望む未来を目指すというのはよくある設定だが、「12年前の今日」にしか戻ることができず、過去で動いたぶんだけ12年後の現代も時間が流れるため、二度と同じ過去に戻れず、「やり直し」はそのとき一度きりという制約が付いているのが特徴だ。
2021年4月のTVアニメ化によって人気が爆発し、同年に北村匠海主演で実写映画化されると2021年公開作品における実写作品の興行収入で1位となる45億円を記録し、社会現象とも言える盛り上がりを見せた。
それだけに注目された最終回だが、
読者からは
「何この終わり方。打ち切り?」
「後半は残念な終わりだった」
「途中で作者に何かあったのと思うくらいつまらなくなった」
など大ブーイングが続出している。
その理由をサブカルライターが明かす。
「『東リベ』のヒットの理由には2つあり、まずイケメンキャラが多数おり、それぞれの関係性が“熱い”ということ。
アニメで人気が爆発し、幅広いファンを掴んだ理由は主にこちらでしょう。
そしてもうひとつが、ただの不良マンガに見えて、実は制限のあるタイムリープ能力を扱ったサスペンス的な内容となっていたことです。
さまざまな謎や伏線があちこちにあり、考察が大いに盛り上がるなど熱量の高いファンがついた。
そして当然こうした謎が最後には回収されていくものだと思われたのですが、10月19日になって突如、残り5話であることが発表され、ちゃんと話がまとまるのかとの心配の声が上がっていました。
結果その心配が的中し、『タケミチを線路に突き落とした犯人』『稀咲の最期の言葉の続き』『半間の目的』『現代でタケミチを尾行していた人物』『ワカと弁慶が関東卍會に寝返った理由』などなど、絶対に回収しなくてはならない謎が全スルーされたまま終了したことで、サスペンス作品として楽しんでいたファンの不満が爆発する結果となりました」
最終回に合わせて11月16日に配信された「現代ビジネス」では、作者の和久井健氏のインタビューが掲載されたが……。
「和久井氏は作中で描ききれなかったことが『めちゃくちゃいっぱいあります』として、そのうち最終章の主要悪役である三途の掘り下げや、敵キャラの灰谷兄弟が成り上がったキッカケを挙げていました。
しかしこの回答にも、『そんなことよりも描かなければいけない描写がたくさんあったんじゃ……』といったツッコミが殺到。
ハッピーエンドで終わったことで、第二部はなさそうな雰囲気です。
作画を別の漫画家が担当している公式スピンオフも連載中ですが、おそらく未回収の伏線部分には触れない内容となるでしょう」(前出・サブカルライター)
予想外の結末を迎えた『東京卍リベンジャーズ』だが、来年1月よりアニメ第2期が放送され、来年夏までに実写映画第2弾が前後編で公開予定。
さらにフルカラー短編集の第2弾、キャラクター名鑑、完結記念グッズの発売と、怒涛のメディア展開が予定されている。
多くのファンが納得しない結末を迎えたことで、人気が急失速とならなければいいが……。