イーロン・マスク氏による米Twitterの買収から10日。
早くもTwitterにさまざまな変化が生じている。
今、何が起こっているのかを、各社のニュースからまとめた。
マスク氏は、Twitterを440億ドル(約6.4兆円)で買収した。
4月に1株54.20ドル(総額で約440億ドル)でTwitterを買収することで合意したが、その後撤回し、Twitterに提訴されていた。
買収は10月27日(現地時間)に発効。
当初の予定通り、1株あたり54.20ドルで買い取り、Twitter社は11月8日に上場廃止になる。
買収後のマスク氏は、すぐさま組織変革に着手した。
TwitterのCEO、CFO、CLO、法務顧問など9人を解任し、自身が唯一の取締役に。
そして11月4日からは従業員の大量解雇が始まった。
会社全体では約50%の人員が削減されたという。
マスク氏は4日、「Twitterの人員削減は、同社が1日当たり400万ドル以上の損失を出している今、残念ながら他に選択の余地はない。解雇された全員に、法的に決められているより50%多い3カ月の退職金を提示した」とツイートした。
マスク氏は10月の段階で、買収が完了したら従業員の75%を削減する計画だと投資家に語ったとされており、これを実現に移した形だ。
一方で、拙速に解雇を進めたことで混乱も起きている。
ブルームバーグは、いったん解雇した従業員の一部に会社復帰を要請したとも伝えている。
組織のリストラと合わせて、ビジネスモデルの変革も急ピッチで進めている。
マスク氏はTwitterの認証バッジ(いわゆる青バッジ)を有償サービス「Twitter Blue」の1機能にし、同サービスを月額8ドルとする計画を発表した。
また新機能も続々発表。
6日(米国時間)には、ツイートに長文テキストを添付する機能を追加すると発表した。
Twitter社内部の急速な変化に、ユーザーの間でも混乱が広がっている。
そもそもマスク氏はTwitter買収で何を目指しているのか?
同氏は買収発表当初から、「言論の自由の場としてのTwitterを守りたいから買収する」としており、5月の段階でいくつかのプランを投資家向けに提示していた。
・2028年までにサブスクリプションサービスから約100億ドルの収益を上げる
・2028年までに収益を5倍の264億ドルにする
・広告への依存度を収益の50%未満にする
・2028年までに9億3100万人のユーザーを獲得する(2021年末時点のmDAUは2億1700万人)
・新たなサブスクサービス「X」を立ち上げ、2028年にはそのサービスで1億400万人のユーザーを獲得
・数百人の従業員を削減した後3600人を雇用し、2025年までに従業員を1万1072人にする(現在は約7500人)
こうしたゴールに向けて、運用ポリシーも変更しつつある。
7日、マスク氏は「Twitter上でなりすまし行為を行ったアカウントを永久停止する」とツイートを投稿した。
また、マスク氏が偽情報拡散防止対策「Birdwatch」の名称を「Community Notes」に改称するとしたことをめぐり、Twitter創業者のジャック・ドーシー氏とツイートの応酬になっている。
国内では、5日から6日にかけて「ニュース」欄の更新が一時的にストップ。
TwitterJPがTwitter上の話題を操作していたとする意見もあり、日本のTwitterトレンドに「トレンド操作」が入った。