公明党は、女性へのセクハラ疑惑を報じられた熊野正士参院議員が辞職願を提出し、辞職が許可されたと発表した。
熊野議員をめぐっては、知人女性にLINEで、ひわいな言葉を送るなどの行為が一部で報じられ、その後入院していた。
熊野氏は1965年、兵庫県姫路市生まれ。愛媛大学医学部、同大学院博士課程を修了した医学博士で、近畿大学医学部附属病院(現・近畿大学病院)や大阪医科大学附属病院(現・大阪医科薬科大学病院)での勤務を経て、2016年 7月の参院議員選挙に公明党公認で比例区から出馬し、初当選を果たした。
その後、2020年9月には菅義偉政権で農林水産大臣政務官に就任。
今年7月の参院選にも比例区で出馬して約27万票を集め、2度目の当選を果たした。
現在は公明党の農林水産部会や厚生労働部会の部会長代理を務めている。
自身のホームページによれば、妻と2人の娘がいる。
事情を知る創価学会関係者が明かす。
「実は熊野氏は創価学会信者の女性・A子さんとセクハラトラブルを起こし、あげくの果てに入院、雲隠れしてしまったのです。
A子さんは親の代から創価学会に入信している熱心な2世信者で、福祉団体の幹部も務めています。
公明党だけでなく創価学会全体にまで問題が広がりそうなのです」
こうした情報を得てA子さんに接触。
すると、熊野氏との出会いから、その後のセクハラ被害まで全容を明かしたのである。
A子さんが語る。
「私が熊野さんと出会ったのは2019年2月のことでした。
共通の知人を介し熊野さんを紹介され、名刺交換をしたら彼からLINEが来るようになりました」
しばしば連絡を取り合うようになり、出会いから1年半ほど経つと、熊野氏は毎晩のように電話をかけてくるようになったという。
「そのうちに、だんだんと私に卑猥なことを言ってくるようになったんです。
『いま、どんな格好をしているの?』から始まり『今日の下着の色は?』とか……」(同前)
熊野氏は徐々にエスカレートし、例えば今年3月4日にはLINEで〈可愛いね、愛しのA子さん。〉などと送ってきた。
さらに3月26日には、より過激な文言が送られてきた。
「正直口にするのも憚られるようなメッセージの連続で、私との性行為を勝手に妄想したおぞましい内容でした」(同前)
そこにはA子さんを凌辱するポルノ小説さながらの記述が、これでもかと並べ立てられていた。
また、こうした電話やLINE上のセクハラのみならず、面会した際に尻を触るなどの具体的なセクハラも過去にはあったという。
熊野氏の事務所に質問すると次のような書面回答があった。
「現在、体調不良のため入院しております。
家族も含めて面会謝絶とのことです。
本人に確認ができないためご質問に対して、回答することはできません。
家族によると、(質問状の)当該女性との間には個人的関係のトラブルがあり、入院する前に弁護士に相談し、対応をしていると聞いています」
公明党にも聞くと、熊野事務所と同様に、入院中で面会謝絶の状態ゆえに「事実確認ができておりません」との回答が寄せられた。
公明党としては「本人との面会が可能となった時点で、党として速やかに確認したいと思います」とし、「尚、当該女性が創価学会の会員の方であるかどうかは存知あげません」と答えた。
「クリーンな政治」を標榜する公明党だが、所属議員の女性トラブルは後を絶たない。
2017年には長沢広明参院議員(当時、以下同)が女性問題を報じられ議員辞職。
樋口尚也前衆院議員も同年の選挙直前に同様の問題で公認取り消し。
昨年には遠山清彦衆院議員がコロナ禍の銀座通いを報じられ、その後、議員辞職した。
今回、被害女性のA子さんは、この件を北側一雄副代表に訴えており、公明党中枢は遅くとも5月には熊野氏のトラブルを把握していた。
しかし公明党はそのまま公認候補として出馬させ、熊野氏は再選を果たした。
今後の公明党の説明が注目されていた。
発表によると、熊野議員は29日、妻ら家族と入院後、初めて面会し、「報道された事実関係は別として、報道により、党員・支持者、国民の皆さまに多大なご心配・ご迷惑をおかけした」と謝罪し、辞職願に署名したという。
公明党の石井幹事長は、「所属議員が議員辞職に至ったことについて、あらためて深くおわび申し上げます」と述べた。
熊野氏の妻は、報道にある女性に対し、法的措置をとったという。