今年の「24時間テレビ」(日本テレビ)も無事に終了した。
しかし、この期に及んでもなお、日テレ関係者の心配は尽きないようだ。
コロナ禍での有観客開催、視聴率、そしてチャリティ番組の要である募金額……その一部を司る“チャリTシャツ”の売れ行きが良くないのだという。

 

「24時間テレビ」では毎年、チャリティーグッズを販売している。
その売上の一部も、公益社団法人24時間テレビチャリティー委員会に寄付される。

 

今年は、クリアファイル(400円・税込=以下同)、サーモボトル(2500円)、ハンドタオル(600円)、チャリTシャツ(1800円)、トートバッグ(1500円)が販売されているが、例年、最も売れるのがチャリTだ。
日テレ関係者は言う。

「今年の『24時間テレビ』は話題性に乏しく、あまり盛り上がっていないような気がしていました。
それを裏付けるかのように、名物のチャリTの売り上げが良くないんです。
例年なら、デザイン発表後、サイズによってはすぐに売り切れてしまうことも珍しくありません。
しかし今年は、日テレグッズを扱う日テレ屋や通販サイトでも、キッズとSSサイズ以外はほぼ在庫が残っているんです。
イオン系スーパーでも販売されていますが、平積みのままという声も聞きます」

 

1978年に番組がスタートした時のチャリTは、太陽と軌道上を周回する地球をイメージした番組のシンボルマークが、黄色地にプリントされたものだった。

 

なぜ黄色のチャリTになったのか?
「24時間テレビ」の企画を立ち上げた都築忠彦プロデューサーは、かつてテレビ番組で「一番目立つ色にしたかった」と答えている。
当時はまだ黄色の服を着る人が少なかったため、人混みの中でもスタッフがすぐに見分けられたという。

「78年はベトナム戦争が終わってから3年しか経っていなかったので、映画『幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ』にあやかり、平和と幸せを感じる黄色にしたという意図もあったそうです。
最初はスタッフTシャツの意味合いが強く、デザイナーは浅葉克己さんで、以後98年の第21回まで続きました」

 

99年から番組パーソナリティーや著名デザイナーによる図案が増える。
この年はパーソナリティーを務めたSPEEDの新垣仁絵(現・HITOE)がデザインした。
販売枚数は約18万枚だった。

「翌2000年は浅葉克己さんとV6とのコラボデザインで約19万枚、01年はモーニング娘。の飯田圭織で約21万枚、02年は工藤静香で約22万枚と売上を伸ばしていきました」

 

30万枚を超えたのが05年、佐藤可士和&香取慎吾のコラボだった。

「05年のメインパーソナリティーはSMAPの草なぎ剛と香取でした。
この年から黄色一色ではなくなり、赤、青、黒、白を加えた全5色での販売となりました。
SMAPの5人が別の色のチャリTを着たことも話題となり、放送前にすでに28万枚を売り上げ、最終的に35万枚を超えました」

 

当時1枚1365円だから、およそ5億円の売上だ。
材料費や制作費を抜いた定価の半分が寄付されたとしても、2億円以上が募金されたことになる。

「さらに販売枚数を増やしたのが、嵐の大野智です。
12年は奈良美智さんとのコラボで約46万枚、13年は草間彌生さんとのコラボで124万枚を販売しました」

 

13年は1枚1500円だから、チャリTだけで18億6000万円(!)の売上である。
ちなみに、この年の募金総額は15億4522万6444円で歴代3位だ。

 

募金総額の1位は東日本大震災があった11年の約19億8000万円。
2位は19年の約15億5000万円で、嵐がメインパーソナリティーを務め、チャリTのデザインは大野の単独だった。

「19年の大野デザインのチャリTがどれくらい売れたのかは発表がないので分かりませんが、それまでの実績から見ても、かなり売れたはずです」

 

ところが、今年は売れていないというのだ。

「例年、『24時間テレビ』の放送週に入るとほとんどの番組で、アナウンサーやジャニーズのアイドルたちがチャリTを着て、週末に番組が放送されることを宣伝していました。
しかし、今年はチャリTが売れていないため、放送の1カ月前から着用するという珍事が起こっているのです」

 

番組の宣伝だか、チャリTの宣伝だかわからない。
どうしてこんなことになったのか。

「昨年はKing & Princeがメインパーソナリティーを務めたので、チャリTはメンバーの高橋海人がデザインしました。
『24時間テレビ』にはジャニーズのアイドルグループが出演するため、そのファンがチャリTを購入することが多い。
全色を購入するファンも少なくありません。
ところが今年のデザイナーは、ジャニーズではなかったのです」

 

今年はイラストレーターの長場雄氏によるデザインだ。

「雑誌『POPEYE』や『GINZA』で活躍する、線画がお洒落なイラストレーターです。
日テレ上層部は、『24時間テレビ』が終わっても着ることができるような“奇抜ではないデザイン”にしたそうです」

 

たしかに、今年のチャリTは黒い線画のイラストで、例年に比べ地味かもしれない。

「一般のアパレルブランドが販売しているTシャツのようで、正直言って『24時間テレビ』らしいインパクトがありません。
そのため、1カ月前から日テレの番組でアナウンサーが着ていても、『24時間テレビ』の宣伝にもならないし、チャリTの売れ行きも上がらないのです」