統一教会と自民党の関係は“反共”という意味で、1960年代に岸信介元首相からはじまる。

 

岸元首相の自宅隣に統一教会の学生団体「原理研究会」があるほど密接であった。
1982年の合同結婚式では、岸元首相が統一教会の合同結婚式に祝辞を送っていたこともわかっている。

岸元総理も、まさか自分の孫が統一教会にかかわったことで暗殺されるとは、夢にも思っていなかったことだろう。

 

さて、自民党と旧統一教会の関係が続々と明らかになってきている。
中には旧統一教会の関連団体とは知らずに支援や献金を受けていた議員もいたようだが、霊感商法や高額献金などの問題のあるカルト集団であると知っていたにも関わらず、支援や献金を受けていた議員も少なくないようだ。
どうやら暗殺された安部元首相もその一人だったようだ。

 

前参議院議長の伊達忠一氏によると、前参議院議員の宮島喜文氏は安部元首相から、旧統一教会関連の組織票を回してもらい比例当選できたのではないか? というようなことを語っている。

 

ちなみに宮島喜文氏は、「この前の参院選も安部元首相に2回会い旧統一教会の協力をお願いしたが、今回は別の議員に票を回すので難しいと言われ、それで出馬を諦めた」と語っている。

つまり自民党にとって旧統一教会は、それだけ強い影響力があったということだろう。

 

安倍元首相の実弟である岸信夫防衛大臣は「(旧統一教会と)お付き合いもあったし、選挙の際もお手伝いをいただいた」と、ハッキリと語っている。

 

旧統一教会は、70年代に入信した若者と家族とのトラブルが明らかになりだし、80年代、90年代に印鑑やつぼを売る霊感商法や高額献金が問題となってきた。

桜田淳子、飯星景子、山崎浩子といった有名人が入信したり合同結婚式に参加したことで、ワイドショーを騒がせたこともある。

 

そういった大々的なトラブルがあったのに、自民党は旧統一教会との関係を断ち切ることができなかったのだ。いや・・・ 自分たちの票はもちろん、ボランティアの選挙支援のために断ち切らなかったと言ったほうがいいだろう。

 

自民党の過ちは、明らかに社会的に害悪があるとわかっている宗教団体を利用し続けたことと、わかっていて利用した議員たちのモラルの無さだ。

 

いまのところ、旧統一教会と関係があったとわかった議員自身で、キッパリと「関係を断ち切ります」と、言い切った人すらまだいないらしい。

岸田総理は「政治家の立場から丁寧に説明していくことが大事だ」と強調。
自民党茂木幹事長は「自民党と教団は、組織的な関係はない」と、何とも歯切れが悪い。

自民党福田総務会長にいたっては「何が問題かよくわからない」と語ったほどだ。

 

自民党はこれを機会に自浄するべきなのだが、はたしてどこまでできるのか、残念だがいまのところあまり期待できそうにない。