「ボヘミアン」のヒットで知られる歌手の葛城ユキ(かつらぎ・ゆき、本名田中小夜子=たなか・さよこ)さんが27日午後2時16分、原発性腹膜がんのため東京都内の病院で死去した。
73歳。岡山県出身。葬儀は近親者で行う。

 

1974年にメジャーデビュー。
83年、ハスキーでパワフルな歌声を生かした「ボヘミアン」が大ヒットした。
2003年、バラエティー番組収録中に胸椎骨折の大けがをしたが、翌年復帰。
精力的にライブ活動を続けた。

 

21年4月、ステージ4の原発性腹膜がんを公表。
入退院を繰り返しながら治療を続け、今年5月に復帰。
6月17日の千葉県でのコンサートが最後となった。

 

関係者によると、葛城さんは5月17日の復帰ステージの翌週に、体調が悪化。
入院はせず、今月17日には本人の強い希望でユニットコンサートに出演し、昼の部では消え入るような声で「ローズ」を1曲のみ歌唱した。
夜の部は歌える状態ではなく、「私の人生は感謝、感謝です」とファンや共演歌手に伝えたのが、ラストステージとなった。

 

その後、「数日しか生きられない」と余命宣告。
27日午前9時前には、同関係者に電話をかけて「救急車を呼びました。今までありがとうございました」と“死への覚悟”を示し、約5時間後に病院で、きょうだい、マネジャーに看取られ息を引き取った。