AKB48の59枚目シングル「元カレです」が、5月18日に発売が予定される。
センターポジションに初めて抜擢されたのは、IZ*ONEの活動を経て昨年5月にAKB48へ復帰したばかりの本田仁美(20)。

 

本田は人気メンバーの1人だが、このタイミングでのセンター抜擢には“卒業阻止”をめぐる運営とのシビアな駆け引きがあったという。
あるAKBの事務所関係者は、現在のAKB48における本田の重要性をこう語る。

「『元カレです』の制作に入る以前から、本田は運営に対して『卒業したい』という希望を伝えていました。
本田はIZ*ONEとしての経験が大きな糧になったようで、『今後は日本ではなく韓国で芸能活動をしていきたい』という気持ちを強く抱いています。
同じくIZ*ONEのメンバーだった宮脇咲良(24)がHKT48を卒業して韓国で活動していることも本田の気持ちに拍車をかけているのでしょう。
しかしAKB48の運営サイドとしては、2代目総監督だった横山由依(29)、入山杏奈(26)などの主力メンバーが昨年末から相次いで卒業したタイミングで、本田にまでグループを抜けられるわけにはいきません。
そこで引き止めのためにセンター抜擢を提案し、本田がそれを受け入れた形です」

 

本田は12歳だった2014年に、チーム8の栃木県代表としてAKB48に加入。
アイドルとして活動する前には地元のプロバスケットボールチーム「宇都宮ブレックス」のチアリーディングスクールにも通っており、ダンスのレベルは加入当初から高かった。
その能力を活かして2018年には日韓合同オーディション番組「PRODUCE 48」でIZ*ONEのメンバーに選ばれ、2021年4月まではAKB48の活動を休止してIZ*ONEに専念していた。

「AKB48が最近ダンスに力を入れ始めたのは、本田仁美がキッカケと言われています。
パフォーマンスのレベルが高い韓国から帰ってきたことで、本田は自分だけでなく他メンバーにも自らダンスを教えるなどグループ内ではリーダー的存在に。
昨年9月に発売した『根も葉もRumor』はAKB史上最高難易度のダンスに挑戦したものでした」(スポーツ紙記者)

 

しかしAKB48として58枚目となる「根も葉もRumor」は販売枚数が激減。
前作の「失恋ありがとう」から50万枚以上減り、2011年2月発売の「桜の木になろう」から38作続いていた連続ミリオンセラーが途切れてしまった。

 

2022年いっぱいでオフィシャルファンクラブが閉鎖することも発表され、かつては千代田区のビルを1棟丸々借りていた運営会社も、現在は同じビルの2フロアのみに縮小している。
それらの状況を受けてAKB48の解散説さえ囁かれるようになった。

「2020年の紅白歌合戦落選はAKBに大きな衝撃を与えました。
2021年は巻き返しのための大事な年でしたが、連続ミリオン記録が途絶え、復活を目指した紅白も再び落選。
グループの“最後の希望”になりつつあるのが韓国帰りの本田なんです。
本田はインスタグラムのフォロワー数が130万人を超え、握手会の代わりに行われている『お話し会』も早々に売り切れました。
現在のAKBでは岡田奈々や小栗有以と並んでトップ3の人気メンバーなんです」(同前)

 

センター抜擢によって直近の卒業問題は回避されたが、本田自身の気持ちは卒業に向かっているままだという。

「5月の『元カレです』でセンターを務めたあと、次のシングルで卒業するという話でまとまりつつあり、運営もいつまでも引き止めることは現実的ではないと受け入れているようです。
AKBは2020年以降シングルは年1枚ペースなので、順当に考えれば2023年のどこかで卒業ということになるでしょう。
韓国に進出するにしても契約は慎重に進める必要がありますからね」(前出・AKB関係者)

 

本田を含めAKB48の卒業が止まらない理由の1つに「地下アイドルと変わらない」とさえ言われる待遇の低下がある。

「AKBと言えばかつてはメンバーの多くが高級マンションに住み、食事は高級飲食店と華々しい生活を送っていました。
AKBを見ない日がないほど多くのレギュラー番組を抱え、バラエティや音楽番組にも引っ張りだこ。
しかし人気が低迷するにつれて待遇が悪化していて、給料だけでは生活が苦しいとパパ活やギャラ飲みなどに手を出すメンバーも後を絶ちません」(同前)

 

待遇の低下は、送迎に使われる車の台数が削減され電車移動が増えていることからも見て取れる。

「景気がよかった頃を体験しているメンバーのモチベーションは当然落ちますし、若いメンバーも将来を考えて『まだ若いうちに違うステージで勝負したい』と考えるようになっているんです。
以前では考えられないですが、最近はAKBから地下アイドルに転身するという例も増えています」(同前)

 

AKB48は昨年12月から「AKB48第17期生オーディション」を開催していた。
同時期に行われていた乃木坂46の5期生オーディションに9万人が殺到した一方で、AKBの応募人数は例年よりも激減、関係者も「さすがに終わりか」と諦め顔だという。

 

“国民的アイドル”の座をすっかり奪われたAKB48、再起の道はあるのだろうか。