韓国の人気グループ「BTS」が14日、YouTubeの公式チャンネルで公開された動画で、グループとしての活動を休止すると発表した。

 

将来的には活動を再開することも明言しているが、当面はソロ活動を展開するという。
メンバーのRMさんは「韓国のアイドルシステムは人として成熟するための時間を与えてくれない」などと休息の必要性も訴え、ファンに理解を求めた。

 

動画は、メンバー7人が食卓を囲みながら本音トークを繰り広げる約1時間の番組で、公式チャンネル「BANGTANGTV」で公開された。

 

RMさんは、世界的な人気の高まりと、それに伴う急速な環境の変化について言及。
「BTSは『Dynamite』(2020年のヒット曲)の頃までは自分の手のひらの上にあったけれど、今はどんなグループなのか分からなくなってしまった」などと明かし、「歌詞や曲を書く時は、いつも内なる物語やメッセージを大切にしていたが、今、自分はどんな物語を語るべきか分からずにいる」と活動継続について難しさを語った。

 

さらに「K―POPの問題として、アイドルシステム全体が人として成熟するための時間を与えてくれない。朝起きてメークをしたら、ひたすら音楽と仕事のみ。人としてものを考えたり、一人になる時間が必要だった」と明かす一方、「ファンのみなさんをがっかりさせるのが怖くて、すごく罪悪感があった」と苦しい胸の内を語った。

 

他のメンバーも「この機にそれぞれソロ活動をするのもいいよねって思っていた」「いつかもっと成長して戻ってくることを約束します。だから心配しないでほしいです」などと語り、ソロ活動をした後に、活動を再開する意向を強調した。

 

BTSは13年、韓国でデビュー。
現代社会への批判や若者の悩みを等身大の言葉で歌い、支持を得た。
その後、世界に進出し、20年には英語で歌ったシングル「Dynamite」が米ビルボードのシングルチャートで1位を記録。
環境問題や人種差別について積極的に発言することでも知られ、国連本部でスピーチしたこともあるほか、今年5月には米ホワイトハウスでバイデン大統領と面会。
米国内で増加するアジア系住民への憎悪犯罪(ヘイトクライム)の撲滅を訴えた。