俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は9日、15分拡大版でスタートした。
冒頭、主人公・北条義時(小栗)と馬に乗って逃げる“姫”の正体がラストに判明。
初回から脚本・三谷幸喜氏(60)の“マジック”が炸裂し、SNS上は驚きと笑いに包まれた。
希代のヒットメーカー・三谷氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。
主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。
鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。
野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。
新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。
三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。
小栗は8作目にして大河初主演に挑む。
第1話は「大いなる小競り合い」。
1175年、平清盛(松平健)が大権力者として君臨していた日本。
伊豆の地では、北条義時(小栗)が兄・宗時(片岡愛之助)、姉・政子(小池栄子)らと、のんびり暮らしていた。
しかし、流罪人・源頼朝(大泉洋)が義時の幼なじみ・八重(新垣結衣)と恋仲になり、男児を産んだことで状況は一変。
清盛から頼朝の監視を任されていた八重の父・伊東祐親(浅野和之)は激怒する。
頼朝が姿をくらます中、北条家にも捜索命令が下り…という展開。
しかし、実は宗時が「平家をぶっつぶす」と北条館の離れ屋に頼朝を匿っていた。
そして、頼朝の居場所を嗅ぎつけた祐親の軍勢が北条館へ。
政子の妙案により、頼朝は女物の着物に身を包み、薄く化粧を施した。
頼朝「皆の者、これよりわしを姫と呼べ」
政子「皆さん、姫と呼ぶよう、お願いしますね」
義時「(困惑しながら)行きますよ」
政子「佐殿、ご無事をお祈りしております」
頼朝「(頷く)」
義時と頼朝は敵の目を欺き、厩へ。
政子「姫、いってらっしゃませ」
頼朝「はい」
義時「静かに」
義時と頼朝が乗った馬が勢いよく厩から飛び出し、疾走。追手から逃げる。
義時「姫、振り落とされないように気をつけて」
頼朝「はい」
語り(長澤まさみ)「時代の変わり目が近づこうとしている」
昨年12月17日のオンライン会見に出席した大泉は
「台本を読んだ時、(冒頭は)義時が“姫”と逃げる大変スリリングな展開。
『なるほど』と読み進めましたが、最後に『あれ、オレか』と分かった時はビックリしました。
『オレなの!?』。
普通にビックリしましたね」
と驚き。
政子から「姫、いってらっしゃませ」と声を掛けられた頼朝の「はい」は甲高い声。
大泉は
「どう言えばいいのか、現場でも考えはしたんですが、どうやら私の決断が間違っていたみたいで…。
三谷さんからは『あの“はい”はどうなんだ』『他に言い方があるんじゃないか』と若干の疑問符をつけられたというか」
と笑いを誘った。
チーフ演出は連続テレビ小説「あまちゃん」「エール」やコント番組「サラリーマンNEO」などの吉田照幸監督。
「非常にコメディーがお得意な方。割と一発OKの監督さんですが、ちょっと面白いシーンになった途端、こだわって一発OKが出なくなりますよね。
その吉田さんがOKを出したわけですから。
三谷さんが台本に『薄っすら化粧をしている』と書いているわけですから、怒る資格あります?
どう考えてもおかしいじゃないですか。
言われる筋合いはないと思うんですよね」
小栗は「ほっぺたを赤くすると『ハットリくん』みたいになるんですよね」と合いの手を挟み、笑いを増幅した。
SNS上には
「冒頭のシーンがラストにつながるのはエモ!」
「すっかり騙されたね」
「『姫』=女性とは限らん、意表を突かれた初回」
「冒頭、後ろに乗っている姫が八重さんか、と思っていた自分はまだまだ甘かった」
「冒頭の追われるシーン、姫に見立てた頼朝までの推察は当たってたが、姫化粧の大泉洋までは見抜けなかった(できるわけない)」
「渾身の『はい』をもう一度聞いて笑っています」
「頼朝迫真の裏声『はぁい』で笑ってしまった(大泉さん、ごめんなさい)」
「大泉洋の女装で話が全部持ってかれたw紅さす必要ある?化粧するなら髭剃ろうw」
「佐殿の女装の化粧は、政子の悪ノリではないかと思っている」
「視聴者全員『なぜ化粧をした』とあの瞬間、同時に突っ込んでそう」
などの声が相次いだ。