最新の医療機器とオペ室を搭載した大型車両(ERカー)で、事故や災害など危険な現場に駆け付ける救命チーム「TOKYO MER」の活躍を描く医療ドラマ「TOKYO MER(トウキョウ エムイーアール)~走る緊急救命室~」が、7月4日からTBSの「日曜劇場」(日曜午後9時)枠でスタートする。
本作で主演を務めるのが俳優の鈴木亮平さんだ。
鈴木さんは今回、同枠のドラマに初主演。
現場では「バランスのいいリーダー」を目指しつつも、「毎日が戦場のようで、なかなか難しいです」と明かす。
「日曜劇場でしかできないと思った」と語るドラマや、自身が演じる“スーパードクター”喜多見幸太という役柄について聞いた。
本作は、映画「キングダム」や、日曜劇場の「グランメゾン東京」「危険なビーナス」などを手掛けた黒岩勉さん脚本のオリジナル作品。
都知事の命で新設された特殊救命チーム「TOKYO MER」が、「一人も死者を出さないこと」というミッションのもと任務にあたる物語だ。
台本を読んだ印象について、鈴木さんは「本当に面白く、スケールも大きくて、まさに日曜劇場でしかできない内容だと思いました」と話し、「これをどう実現させようかと考えたときに、自分にもレベルの高いものが求められるだろうなと、身が引き締まりました」と明かす。
かつて阪神・淡路大震災も経験。「災害時、みんながすごく不安になっているときに、自衛隊の方たちが助けに来てくれたのはものすごく安心感があった」といい、実体験を基に「まず不安になっている傷病者をどうやったら安心させられるか、と考えながら演じています」と撮影に臨んでいるという。
「最初は医療従事者へのエールとなるようなドラマにできたらと思っていましたが、今は医療に関わる方だけでなく、全ての人への賛歌になればという思いで頑張っています」と、演じる中で生じた変化も教えてくれた。
今回、鈴木さんが演じるのはチームのTOKYO MERのチーフドクター・喜多見幸太。
「待っているだけじゃ、助けられない命がある」というポリシーで、危険を顧みず、命がけで患者の元へと駆けつける。
海外の紛争地やへき地で医療に従事した経験があり、患者に対する診断は的確。さらに、驚異的なスピードで処置を施す“スーパードクター”だ。
鈴木さんは「ドラマ制作陣の『今までに見たことがないような医療シーンや救命シーンを撮ろう』という思いがとても伝わってきていて、俳優陣はまるで挑戦状をたたきつけられているかのような感覚なんです(笑)」と話し、「前日まで何度も何度もビデオを見たり、患者が運ばれてきてから蘇生させるまでの一連を、自分の中でシミュレーションしています」と、真摯(しんし)に役作りに励む。
さらに、「“スーパードクター”と呼ばれる方は、その中で患者さんを勇気づけて、安心させながら、クルー一人一人の状況を確認して、ケアすることもできるんですよね。喜多見を演じる上でも、その点を意識して徹底的に準備しています」と役に向き合う。
「喜多見は僕に当て書きをしていただいたと伺ったので、やっぱり僕にすごく近いといいますか……僕が理想とする男性像に近い役なので、とてもやりがいがあります」と、充実感も見せていた。
本作で日曜劇場初主演を飾る鈴木さん。
座長としては背中で語りつつも、自ら声をかけて気配りもできる「バランスのいいリーダーを目指している」と話す。
しかし、「今は本当に毎日が戦場のようで僕自身も余裕がなくて……。もっと細やかにみんなをケアして、和やかな空気を作りつつ、背中を見せて引っ張っていけたらいいんですけどね……なかなか難しいです」と吐露する。
また撮影前には、「国境なき医師団」の医師に医療のことをはじめ、チーム作りについても話を聞いた。
「頼れるリーダーは余裕を持って、想定外のことにも対応できるような人だとおっしゃっていたので、自分も撮影現場で何か起きてもなるべく冷静に対応できるよう頑張ろうと思っています」と、実際の経験者の意見も取り入れながら、奮闘しているようだ。
そんな鈴木さんは、TOKYO MERの医系技官・音羽尚を演じる賀来賢人さんに助けられているという。
「僕は喜多見と一緒でちょっと熱くなってしまうというか、入り込んでしまうところがあるんですが、賀来くんは冷静に現場を見て、求められることを一番理解しているなと。そういう部分は僕に足りないと思っているところなので、非常に助けられている」と、チームワークのよさもうかがわせる。
いよいよスタートする放送を前に、鈴木さんは「第1話の冒頭から本作の世界観を分かっていただけると思います」と自信。
「「事故現場では次から次へと処置をしなければいけない人がいて、その一連の流れが本当にスピーディー。すごい集中力で臨んでいて緊迫感などもストレートに感じていただけると思うので、ぜひ体感していただければと思います」と、呼びかけていた。