中古車販売大手のビッグモーターの兼重宏行社長が25日、自動車保険の保険金不正請求問題に関して都内で記者会見を開いた。
兼重社長は、この問題について謝罪したうえで、26日付で代表取締役社長を辞任する旨を発表。
特別調査委員会の報告書で
「不合理な目標設定」
「コーポレートガバナンスの機能不全とコンプライアンス意識の鈍麻」
「経営陣に盲従し忖度するいびつな企業風土」
「現場の声を拾い上げようとする意識の欠如」
「人材の育成不足」
の5つの問題点を指摘されたことを挙げ、「企業風土を一新するためには新社長のもと、全社一丸となり力を合わせて進んでいくことこそ、今般ご迷惑をおかけした皆様方の信頼を取り戻す近道でないか」と説明した。
一方、不正請求問題について
「今回の板金塗装部門の不正請求問題は板金塗装部門単独で、ほかの経営陣は知らなかった。それは事実です」
「報告書を見て、こんなことまでやるのかとがく然とした」
と発言。
社長はLINEで現場ともつながっていたが、本当に不正を認識していなかったのかとの問いにも「天地神明に誓って、知りませんでした」と回答した。
あくまで自身も含め、経営陣の関与はないと否定しており、SNS上では「社員のせい」などのワードがトレンド入りすることに。
「さらにネット上ではビッグモーターの店舗前の街路樹が必ずといっていいほど枯れていたり切り倒されていることが相次いで指摘されており、群馬県太田市の店舗前の街路樹については、土から除草剤の成分が検出され、県の土木事務所が昨年11月に被害届を提出。
この件についてマスコミから聞かれると、兼重社長が『環境整備で……』と回答しようとしたところ、管理本部長が割って入り、『適切に対処させていただきたい』などと答えたことで疑惑が深まることに。
ふたたびマスコミから追及されると、兼重社長は『枯らすようなことは普通やりませんよね。見栄えも悪いですし。除草して整えることはしますけども。なんなんでしょうね、その報道ってのは。よくわかんないですけども』『(除草の方法は)現場で判断してやります』と答え、あくまで“自分たちにはわからない”こととしました」(週刊誌記者)
そしてこの問題はビッグモーターだけに留まらなくなっている。
損害保険の大手3社「損害保険ジャパン」「東京海上日動火災保険」「三井住友海上火災保険」がビッグモーターに複数の出向者を出していたことが報じられており、なかでも損保ジャパンについては、2011年以降、37人の出向者がいたことや、不正請求の問題が発覚した昨年夏に3社とも事故車両の修理をビッグモーターに委ねることを取りやめたものの、その後損保ジャパンのみ一時的にビジネスを再開していたとの報道もある。
兼重社長は会見で「私も損害保険会社も、不正は知らなかった」と説明し、損保ジャパン側も「不正を認識していた出向者はいない」と一部取材に対し回答しているとのことだが、事実関係を改めて確認するため外部の弁護士による調査が行われる予定だ。
「これにより、損保ジャパンのCMに出演中の菅田将暉や高橋一生の動向が注目されています。
というのも、長年ビッグモーターのCMに出演していた佐藤隆太は、7月20日付で契約を解除。
事務所側は以前から契約解除を申し出ていたようですが、おそらくタレントサイドから契約を解除できる条項が設定されていなかったのでしょう、協議は長引いたようです。
しかし国土交通省まで乗り出す事態になって、ようやく解除が成立した様子。
損保ジャパンについては、特に高橋一生は自動車保険のCMに数年前から出ていますから、事務所側はヒヤヒヤでは。
仮に損保ジャパンの出向者の中で不正を黙認していた者がいた場合、高橋のイメージにも関わりますから」(芸能記者)
たとえ企業側に何の問題がなかったとしても、芸能事務所は、タレントがイメージ塔を務める際の契約条件について見直しておいたほうがよさそうだ。