Netflixのドラマシリーズ『極悪女王』を撮影中のお笑い芸人、ゆりやんレトリィバァ(31)が緊急入院したことが分かった。

 

Netflixに事実確認を行ったところ、以下の回答を寄せるとともに、プレスリリースで同様の内容を発表した。

「先日『極悪女王』撮影中において、ゆりやんレトリィバァさんが演技中に背中及び頭を打ったことを受け医師の診断を受けたところ、大事をみて2週間の安静の指示を受けられました。
それに伴い、『極悪女王』の撮影は一部延期いたします。
撮影の再開に関してはゆりやんレトリィバァさんの体調のご回復を最優先に考慮いたします。
今後も同作の制作において万全の体制を整えて作品と向き合ってまいります」

 

『極悪女王』はカリスマ悪役レスラーとして1980年代に女子プロレスブームを牽引したダンプ松本を題材にしたドラマシリーズ。
企画・脚本・プロデュースを放送作家の鈴木おさむ氏、監督を『凶悪』や『孤狼の血』などで知られる白石和彌氏が務める。

 

近年、ドラマ『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』(TBS系)に出演するなど女優としての活動も始めたゆりやんレトリィバァだが、本作が初主演作品。
オーディションで勝ち取った主演とあって作品にかける思いは強く、数カ月にわたり元女子プロレスラーの長与千種によるプロレス指導を受け、増量にも挑戦。
65キロだった体重を93キロまで増やして7月頃からの撮影に臨んでいた。

 

そんな彼女が緊急入院するとは、一体何が起こったか。

 

ドラマ関係者が経緯を説明する。

「10月21日、千葉県の体育館では一日がかりでプロレスシーンの撮影が行われていました。
ゆりやんさんがプロ入団テストで投げられる場面では、頭から落ちる技を受ける動きを100回以上繰り返すなど、かなり苛酷な撮影だったと聞いています。
この時すでにゆりやんさんは頭に痛みを感じていたらしいのです。

しかしそれを訴えることはなく、撮影は続行。
しかし後日、我慢できないほどの頭痛に見舞われ、ゆりやんさんが慌てて病院を受診したところ、脳が損傷しており少なくとも1週間の入院が必要と診断された。
こうしてゆりやんさんは緊急入院することになったのです」

 

21日の撮影には、ライバルの女子プロレスラーを演じるライオネス飛鳥役の剛力彩芽(30)や、長与千種役の唐田えりか(25)も参加していた。

 

実はゆりやんが撮影中に負傷したのは今回が初めてではないのだという。

「ゆりやんさんは以前にもプロレスシーンの撮影中に、指に怪我を負っています。
そのせいでプロレスシーンの撮影が延期されてしまい、ゆりやんさんは非常に申し訳なさそうにしていました。
今回の負傷の引き金になったと思われる21日は、まさに指の怪我により延期となっていたプロレスシーンの撮影でした。

増量して93キロになった体重の負荷がもろに頭にかかってしまう状況でしんどさを感じながらも、こうした事情もあって、ゆりやんさんは体調の異変をすぐに伝えられなかったのでは」(同前)

 

結果的に2度もゆりやんの怪我を防げなかった制作陣。
撮影前に指導があったとはいえ、格闘経験のない演者がプロレスのアクロバティックな技に挑戦することに危険が伴うことは予測できたはずだ。現場の対策は果たして十分だったのだろうか。

「プロレスの監修者がついていたものの、技の指導のみで、技の危険度や演者の体調面まで管理しているわけではありませんでした。
共演者の剛力さんや唐田さんは、疲れた時などはマネージャーを通して休憩したい旨を伝えられたと思いますが、ゆりやんさんの場合は撮影中に担当マネージャーが不在だったこともあると聞いています。
周りにたくさんのスタッフがいたとはいえ、親しいマネージャー以外にはなかなか疲れたとか休みたいといったことを言い出しにくかったのではないでしょうか。

彼女はとても頑張り屋で、現場ではいつも笑顔。
『大丈夫です、大丈夫です』『やります、やります』と明るく振るまっていたので、スタッフも無理をしていることに気が付けなかったんです。
ゆりやんさんの体をケアし、ストップをかけられる存在がいなかったことが、一番の問題だったのではと感じます」(同前)

 

現在、撮影はストップし、再開の目処は立っていないのだという。
制作スタッフの間では、ドラマの撮影再開は絶望的とのムードが漂っているようだ。

「ゆりやんさんの病状についてはまだ詳しいことはわかりませんが、普通に動けるようになるまで約3カ月はかかる見込みと医師から言われているようです。

そうなると、プロレスの撮影ができるくらい回復するのにどれほどの時間がかかるかは未知数。
剛力さんや唐田さんら共演者も、役作りのため増量して今回の撮影に臨んでいます。
この後のスケジュールも埋まっていますし、もう一度体重コントロールをして撮影を再開することは至難の業です。
プロデューサーも『お蔵入りになるかもしれない』と意気消沈しています」(同前)

 

今回の件で最も責任を感じている様子なのは白石監督だという。

「作品へのこだわりから何カットも繰り返し撮影を行ったわけですが、そのせいでこうした事態を招いてしまった。かなり自分のことを責めている様子だと聞いています」(同前)

 

ゆりやんレトリィバァの所属先である吉本興業に、今回の経緯とゆりやんの病状について尋ねたが、「撮影現場における制作上の事案については、Netflixさんがご対応いただけるとのことですので、回答を差し控えます」とのことだった。

 

ゆりやんの1日も早い回復を祈るばかりだ。