Travis Japanが28日午後1時、配信シングル「JUST DANCE!」で世界デビューを果たした。

 

デビュー曲の世界配信に加え、かつてないほどSNSプロモーションに力を入れるなど、これまでのジャニーズのデビューとは一線を画す展開を見せており、滝沢秀明副社長が主導したジャニーズ事務所のネット戦略の一つの集大成になるとみられている。

 

Travis Japanのデビューを受けて、SNS上では「世界デビューおめでとう!」「念願のデビュー、それも世界……これからが楽しみです」「帰ってきたらライブでおめでとうを言いたい!」といった声で盛り上がりを見せている。
さらに、同日にファンクラブの入会申し込みがスタートし、アクセス殺到でサイトにつながらない人が続出するといったアクシデントも発生。
さまざまな意味で話題になり、「#TravisJapan」「#トラジャデビュー」「トラジャFC」がTwitterのトレンドワード入りを果たした。

 

同日は、滞在先のロサンゼルスからデビュー記念のSNS生配信リレーを実施。
Instagramのライブ配信からスタートし、YouTubeライブ、「JUST DANCE!」のMVフルバージョン公開、TikTokライブと、各SNSを駆使したプロモーションを展開。
また、11月7日にはTBS系音楽番組『CDTVライブ!ライブ!』の2時間スペシャルへの出演で凱旋帰国するが、同11日にはシンガポールで「YouTube FanFest」、12月10日には香港で「UNIK ASIA Festival」に出演予定で、デビュー早々に世界を飛び回ることも決定している。

 

デビュー日に海外にいることも含め、Travis Japanのデビュー戦略はあらゆる点が異例ずくめだ。ある芸能事務所の幹部は、この戦略をもって「滝沢秀明プロデュースの第一章が完結するのではないか」と語る。

「ジャニーズは今までタブーにしていたネット進出を解禁し、ここ2~3年でSNSや動画サイトを駆使したプロモーションに力を入れるようになりましたが、その先陣を切ったのは滝沢秀明さんです。
ジャニーズJr.のYouTubeチャンネルを開設し、再生数が突出していたSnow ManとSixTONESをデビューさせた。
どちらも熱烈な人気を獲得し、特にSnow Manはジャニーズの稼ぎ頭に成長する勢いですが、もし滝沢さんのネット人気を重視する戦略がなければ、デビューがもっと遅れていたかもしれません。
この成功があったからこそ、他のグループも続々とSNSを解禁できた。
Travis Japanの異例の『配信デビュー』が成功を収めれば、ジャニーズ全体がデジタル配信に舵を切り、待望されているサブスク解禁も実現するかもしれない。
いずれにしても、Travis Japanのデビュー戦略は『滝沢プロデュース』の集大成になりそうです」

 

Snow ManとSixTONESの同時デビューなど、物議を醸すものもあったが、滝沢プロデューサーが「結果」を残してきたのは事実。
嵐の活動休止によってジャニーズの凋落が危惧されたこともあったが、ネットを積極活用した戦略が当たり、新たなエース候補が続々と輩出されている現状を見ると、ジャニーズ帝国はまだまだ強大な力を持ち続けそうだ。

「滝沢さんがSNSなどのネット戦略に力を入れたことで、結果的にCDの売り上げも増加。
また、タレントを出演させるドラマや映画の選定に関しても、藤島ジュリー景子社長より副社長の滝沢さんのほうがセンスがあると業界内でもっぱらですよ。
正直、Travis JapanはYouTubeの動画再生数やチャンネル登録者数が思ったほど伸びず、不安要素もある。
しかし、だからこそ彼らをブレイクに導ければ、滝沢さんのプロデュース能力への評価は絶対的なものになるでしょう」(前出)

 

Travis Japanのデビュー戦略については、ファンから「国内プロモーションが少なすぎる」「ネット以外の宣伝に全然力が入ってない」といった指摘もあがっている。
業界内では「トラジャのデビューは滝沢副社長の肝煎りだが、ジュリー社長があまり関心を持っておらず、事務所内で温度差が生まれているのが国内での宣伝不足の原因」とささやかれ、いわゆる“派閥争い”が絡んでいると見る向きがある。

 

そういう部分でも“滝沢秀明プロデューサー”にとって、Travis Japanのデビュー戦略の成否は大きな意味を持つ。
これが大成功すれば、ジュリー社長も「タッキー戦略」を認めざるを得ないだろう。
はたして、滝沢プロデュースの申し子となったTravis Japanは見事にブレイクを成し遂げることができるだろうか。