岸田文雄首相が長男の翔太郎氏を秘書官に抜擢したことが、「身内の優遇は最悪」「支持率急落のこのタイミングでの抜擢はKYもいいところ」などと党内外からボロクソに叩かれている。
しかし一方で、周辺関係者からは「いずれ首相の後継と目されている。このタイミングで秘書官として名を全国区に売るのは必要だ」と歓迎の声もある。
後継問題といえばもうひとり「大物」がいる。麻生太郎自民党副総裁の長男・将豊氏だ。
10月8日、大分市で開かれた日本青年会議所(JC)の全国大会で、来年1月1日から会頭に就任することが正式に決まったのだ。
麻生家をよく知る関係者が説明する。
「将豊氏は、麻生一族が経営する麻生コンツェルングループの建築資材・ 産業機械の卸売などを行う麻生商事(福岡市)の社長。
慶応幼稚舎、慶応大学というエリートコースから民間企業を経て14年に麻生商事に入社し、18年にトップに就いている。
麻生副総裁が首相時などは、地元に帰れない父親に代わり選挙を取り仕切ったほどで、すでに政治家としての片鱗を見せています」
さらに麻生派代議士がこう付け加える。
「麻生副総裁は今年9月で82歳になり、次の総選挙は出馬できるかどうか、瀬戸際の年齢に差しかかっています。
そんな折の長男のJC会頭ですからね。
麻生副総裁も38歳でJC会頭就任後、翌年39歳で衆院選に出馬していることから、地元では『父親とまったく同じ道を歩んでいる。37歳の将豊氏は、このままいけば再来年には国政進出、ゆくゆくは日本の首相ではないか』と、一気に期待が高まっているんです」
二世、三世の世襲政治家には世間の厳しい視線が注がれるが、それでも今後、相次ぐ大物政治家の後継問題がより注目されるのは必至だ。