フジテレビ系で放送、関西テレビ(カンテレ)制作・月曜夜10時のドラマ枠では、10月24日から長澤まさみ(35)の主演ドラマ『エルピスー希望、あるいは災いー』の放送が控えている。

 

同作は長澤にとって4年半ぶりの連ドラとして注目されているが、それ以上に業界で注目されているのは、『エルピス』の次に予定されている23年1月クールのドラマだという。

「主演が新しい地図の草なぎ剛さん(48)ということ以外、まだほとんど詳細は明かされていませんが、2015年の『銭の戦争』、17年の『嘘の戦争』(ともにカンテレ制作、フジテレビ系)に続く“復讐シリーズ”の第3弾が控えています。
クセのある登場人物たちが“騙し合う”ハードな内容になると言われており、草なぎさんにとってジャニーズ事務所退所後初の民放連ドラとなる同作は、かなり面白い作品になりそうですよ。

ただ、キャスティングが非常に難航しているという話が聞こえてきていました。
なかなか制作サイドと事務所との調整が苦労しているようなんですよね。
芸能界、俳優界には、どうしても、ジャニーズ事務所への強い忖度がありますからね」(制作会社関係者)

 

2016年末のSMAPの解散から5年半が経過し、19年7月にはジャニーズ事務所に公正取引委員会の調査も入った。
それ以降は、ジャニーズがテレビ局などに圧力をかけるようなことはいっさいなくなったと言われているが、どうしても「今後、ジャニーズさんと仕事しづらくなってしまうリスクが怖い」という忖度が発生して、タレントを出し渋る芸能プロダクションは珍しくないという。

 

しかし、そんな状況下でも出演に踏み切った俳優がいるという。

「杉野遥亮さん(26)が草なぎさん主演の月10に出演するという話を聞いています。
所属事務所は菅田将暉さん(29)や松坂桃李さん(33)も所属する大手芸能プロダクションですが、忖度など関係なしに出てくれるということでしょうか。

杉野さん出演の大きな理由として、彼は2017年の『嘘の戦争』で手術支援ロボットの開発案件に携わる将来有望な若手社員・三井研治を演じていて、草なぎさんや“復讐シリーズ”のスタッフ陣と一緒に仕事をしていたので、その縁があると言われていますね」(前出の制作会社関係者)

 

当時の杉野は、テレビドラマでは16年に『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ系)しかキャリアがなく知名度のない役者だったが、草なぎと『嘘の戦争』で共演した後、この5年の間に、主役、わき役、悪役問わずこなせる名俳優に成長した。

「映画は14本、ドラマはシリーズ物やミニドラマ、単発なども含めると30本以上も出演していますね。

ちなみに、2021年には草なぎさんと同じくSMAPの木村拓哉さん(49)が主演の『教場2』(フジテレビ系)で、問題児が多い中、真面目な性格だったものの、ある理由で濡れ衣を着せられる警察学校の生徒役を演じました。
これが俳優人生の大きな転換点だったといいます」(テレビ誌編集者)

 

杉野は8月24日のWEBメディア『日経クロストレンド』にてこう話している。

《木村拓哉さんの背中を見られたことは大きかったです。
訓練のときに初めていらっしゃったんですけど、「うわ、この人、こんなに輝いてるんだ」って、びっくりしたんです。
すごいと思ったのは、現場での居方やたたずまい、人に対して伝えることと伝え方と…
あと、ちゃんと人の本質を見てるんだなって。
それって、いろんな経験をして自分を持っていないと、なかなかできることではない。
「光り続けている人って、こうなんだ」と学びました。》

 

また21年には、1月クールを同スタッフで2つの番組に分割する変則的な企画を行ない、『直ちゃんは小学三年生』と『東京怪奇酒』でテレビ東京の深夜ドラマ連続主演を果たした。
前者は楽しく撮影できたものの、後者はホラー嫌いだったため《両極端なものが一緒に来た》としつつも、我慢と忍耐力が育ったこと、1日に台本30ページ分撮影するハードスケジュールをこなしたことで自信がついたことを同インタビューで語っている。

「21年1月クールの『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』(日本テレビ系)では、短気で攻撃的だけど根は純粋で素直なヤンキー黒川森生、今年7月クールの『ユニコーンに乗って』(TBS系)では大手不動産グループの一人息子で以前から主人公(永野芽郁)に思いを寄せる相手役・須崎功と、いろいろな性格の役を演じてきました。

特に『ユニコーン』については、当初“西島秀俊さん(51)の当て馬枠ではないか”と思われていたのが、最終回で無事に恋を成就させ、視聴者を“ロス”にしましたね」(前出のテレビ誌編集者)

 

くわえて、『復讐シリーズ』にうってつけの役を演じた経験もあるという。

「19年放送の連ドラ初主演作『スカム』(MBS)で、杉野さんは一流企業に就職するもわずか半年でリストラされ、その後詐欺師として道を踏み外し暗躍……という悪役を演じています。
悪役ではありながら、同情すべき点もあり他人ごとではない生々しい部分も演じきっていて、そうした要素は“復讐シリーズ”に通ずるところがあるはず。
きっと、23年1月の“月10”では、草なぎさんに負けない名演技を見せてくれるのではないでしょうか」(前同)

 

草なぎ剛と木村拓哉、2人のSMAPと共演し大きく成長を遂げた俳優・杉野遥亮。
蓄えた実力を、アカデミー賞俳優との再共演で出し切ってほしい!