画面がスマホより大きく、ノートPCよりも携帯性に優れ、タッチパネル操作もできるタブレット端末。
動画鑑賞や読書、ゲームプレイなど幅広いシーンで愛用中という人も少なくないだろう。

 

そんなタブレット端末に、スマホとPCの“いいとこどり”という印象を持つ人もいれば、「どっちつかずで中途半端」と感じて、だんだん使わなくなった人もいるようだ。
期待して購入したものの、今は使っていないという人たちに、“タブレット端末離れ”した事情を聞いた。

 

「過去に2度、タブレット端末を購入しましたが、いずれも結局使わなくなり売りました」と言うのは、メーカーに勤務する30代男性・Aさんだ。

 

最初はウェブサイト閲覧のために購入した。

「同僚がタブレット端末で、ウェブサイトやネットニュースを見ていたので、スマホより大きな画面で見やすくていいな、と思い、購入しました。
当時はまだスマホが小型なものが多かったので、タブレット端末とのすみ分けができていました。
でも、徐々にスマホの大型化が進むと、『大きめのスマホ1台で十分』と感じるようになり、タブレット端末の出番がなくなりました」(Aさん)

 

その後、動画系サブスクが普及して気軽に動画を見られるようになり、どこでも見たいという気持ちになったAさん。
「今度こそタブレット端末の出番」と思い、新しいものを購入した。

「タブレット端末なら、家でも外でも気軽に動画が見られるし最高だと思いました。
ただ、最初のうちは使っていましたが、家ではPCか『Fire TV stick』でテレビの大画面で視聴、外ではスマホの方が手軽に取り出せるし、そっちのほうが使い勝手が良いと感じるようになり、タブレット端末はまたお蔵入りです」(Aさん)

 

IT企業に勤務する30代女性・Bさんは、キーボードを装着すれば、PCと同じように使えるという利便性に魅力を感じ、タブレット端末を購入した。

「仕事柄、どんな時も念のためノートPCを持ち歩く習慣があるのですが、それを薄いタブレットにできるならいいなと思ったんです。
スマホがiPhoneということもあって、タブレットはiPad。
ただ、タブレット端末用の着脱式キーボードは思ったよりキーが使いづらかったし、普段PCはWindowsを使っていることもあって、ちょっと使いにくさを感じました」(Bさん)

 

仕事以外も含めて様々な用途で使ってみたが、やはりタブレット端末ならではの強みを感じられなかったという。

「メモをとるのにも便利そうだし、漫画も読みやすいと思っていました。
でも、メモは紙のほうが書きやすく、ぱっと見ることができる。
漫画は、確かに画面が大きいほうがいいこともあるのですが、タブレット端末が想像よりも重たくて、手持ちしながら寝転がって見るにはつらかった。
使わなすぎて、完全に宝の持ち腐れです。
ただ、今私が利用している美容室では、雑誌がタブレットで読み放題なんです。
そういうシーンではめちゃくちゃ便利だと思うので、ほんと、使いようですよね」(Bさん)

 

専門商社に勤務する20代男性・Cさんは、スマホでプレイしていたゲームをより大画面でプレイしたいという理由で、タブレット端末を購入した。

「ゲーム専用機にしたいと思ったんです。持ち歩くこともできるうえ、画面が大きくなればスマホよりも操作性が良くなるので最高だと思いました。
最近のタブレット端末のスペックなら、3Dゲームでも十分に動いてくれるので、良い買い物だと思いました」(Cさん)

 

タブレット端末でのゲームプレイに満足していたCさんだったが、徐々に画質に満足できなくなっていったという。

「プレイするうちに、もっと高画質にしたいという欲が出てきて、結局ゲーミングPCを買ってしまいました。
いまではタブレット端末をほとんど使わなくなってしまいましたが、後悔はありません。
タブレット端末は僕にとっては、ゲーミングPCにたどり着くまでの『通過点』だったようです」(Cさん)

 

幅広い用途で活躍するタブレット端末だが、使ってみたら「想像と違っていた」というユーザーもいるようだ。