ウクライナは「戒厳令」や「総動員令」を出し、ロシア軍の侵攻に対峙(たいじ)している。
ウラジーミル・プーチン露大統領の決定は、国際法や国連憲章違反であり、決して許されない。

 

こうしたなか、ウクライナ出身の評論家、ナザレンコ・アンドリー氏(27)は、祖国への思いや、東アジアでロシアと向かい合う日本への影響などを激白した。

「祖国防衛のため、ウクライナ人は最後までひるまない。
思った以上にウクライナ軍は反撃しており、一度奪われたキエフの空港を奪還したという情報もある。
抵抗が続けば、凍結した地面が溶けて、ロシア軍の戦車などは運用できなくなる。
燃料も底を突く。
今後、1週間程度、抵抗できるかがカギになる」

ナザレンコ氏は25日、こう語った。

 

同氏は、ロシアがウクライナ南部クリミア半島を併合した2014年に留学生として来日した。
最近はインターネット番組「真相深入り!虎ノ門ニュース」のコメンテーターとしても知られる。
ウクライナ北東部にある第2の都市、ハリコフに両親らを残している。

「実家では侵攻初日(24日)、爆撃音が聞こえ、両親はすぐに田舎に逃れた。
ロシア軍に全土を囲まれ、他国への退避はもはや不可能だ。
心配で毎日、SNSで連絡を取り合ってはいるが、両親はハリコフの防衛線が突破されたら最後は武器を取って戦う覚悟のようだ。
私も覚悟を決めた」

 

ウクライナ危機では、同じ自由主義である米国も欧州も直接、ロシアと戦火を交えようとはしない。

 

ナザレンコ氏は
「ウクライナは旧ソ連からの独立後の『ブダペスト覚書』(1994年)で、核兵器をすべて手放し、軍隊も100万人から大幅に縮小した。
これが間違いだった。
いつの時代も、軍事力=抑止力があってこそ自国の平和は得られる。
日本も例外ではない」
といい、続けた。

 

「プーチン氏は以前、『アイヌ民族をロシアの先住民族に認定する』という考えを示した(2018年12月、モスクワでの人権評議会)。
北方領土への不法占拠が続くなか、今度は北海道が危ない。
ロシアが『アイヌ民族保護』を名目に北海道に乗り込んでくる危険性がある。
ロシアのような独裁国家が今回と同じく、自国民の保護を名目に他国を力で侵略し、国家承認することがまかり通れば、世界の秩序は完全に崩壊する。
日本を含む国際社会はこれ以上、プーチン氏を増長させてはならない」