メンバーの北山宏光が8月31日をもってグループを卒業し、ジャニーズ事務所からも退所することが決定しているKis-My-Ft2が、8月3日に7人体制最後となるSpecial Single『ともに』をリリースすると発表した。

 

今作はジャニーズ公式のオンラインストアのみでの取り扱いで一般販売はなく、さらに数量限定ということで、その販売方法に対し不満の声が出ている。

 

「Special Single」と題されたこのシングルは、メンバー全員で作詞し、これまでグループを応援してくれた人々に向けて感謝の気持ちを込めた表題曲「ともに」のみを収録。
21日に放送された文化放送のラジオ番組『レコメン!』内の『Kis-My-Ft2 キスマイRadio』では、同曲が初オンエアされるとともに、久々に7人そろって出演した彼らが「いい歌詞になったよね、思いがこもってる」「全部自分たちの言葉だもんね」などと今作について語り合った。

 

藤ヶ谷太輔は誰がどのパートを歌うかの「歌割り」もメンバー同士で話し合って決めたと明かし、宮田俊哉は「俺のこだわりで『シャツの襟をつかみ合って、ああだこうだと言い合って』(という歌詞のパートは)は北ニカ(北山&二階堂高嗣)でいってもらいたいと意見した」と告白。
二階堂は「一番リアルだもんね」と笑い、彼らの素顔がのぞけるような歌詞になっていることをうかがわせた。
玉森裕太は「今回の歌詞は全部好き」と特別な思い入れがあることを強調し、北山は「(自分の歌割り部分を)いっぱい練習した」と照れながら振り返った。

 

曲のタイトルは横尾渉が発案したといい、振り付けは千賀健永が担当。
メンバー全員でのセルフプロデュースによる記念碑的な作品となりそうだ。
さらに、楽曲の制作過程やメンバーのリアルな表情を切り取ったミュージックビデオを収めた映像ディスクも付属するほか、ファンクラブ限定特典として「オリジナル手書きメッセージカード(※プリント)」が付くなど、ファンにとってもメモリアルな作品となる。

 

最近のジャニーズのゴタゴタを考えると、北山の「卒業シングル」が出るだけでもうれしいというファンが多いが、その販売方法が物議を醸している。
7人体制最後となれば大々的に売り出しそうなものだが、なぜかジャニーズショップオンラインストア限定での販売となり、一般のCDショップやECサイトでは取り扱いがないとアナウンスされた。
しかも、今作は「数量限定」の受注生産販売商品という扱いで、「予定数に達し次第、受付終了予定」と案内されているため、欲しい人は早期の予約が必須となる。

 

これに対して、SNS上のファンからは
「北山くんを盛大に見送りたいのにお店で売らないのおかしいでしょ」
「北山くんの素敵な花道になると思ってたらこの仕打ち……」
「ファン以外にも届いてほしい作品なのに、ジャニショ限定で、買うのに送料かかるって意味わからない」
などと批判的なコメントが続出した。

 

特典はファンクラブ会員と非会員で異なるものの、CDの購入自体は誰でもできるのだが、オンラインストアのアカウント登録(無料)が必要なほか、送料も必ずかかる。
「ファンと思い出を共有するための作品だから限定販売のシングルにしたんじゃないかな」
「『売り上げは気にしなくていいよ』ってファンを気遣ってくれたのでは」
と理解を示す声もあるが、ジャニーズのファンには“売り上げ枚数で貢献したい”という考えの人も少なくなく、7人体制最後のシングルとなる『ともに』を盛大に祝いたい人にとっては「数量限定で、予定数に達し次第、受付終了」かつ販売先も限定となると、もどかしい気持ちになるのだろう。
メンバー3人が5月に脱退したKing & Princeは、5人体制最後のシングル『Life goes on/We are young』とベストアルバム『Mr.5』がともに初週ミリオンという華々しい成績を収めたことも記憶に新しいところだ。

 

また、ジャニーズショップオンラインストアは日本国内の住所がなければ登録できないため、今回の販売方法は、一般のECサイトを通じて取り寄せていた海外ファンを切り捨てているとの指摘も出ている。

 

今回の販売方式がメンバーの意向なのか、事務所の方針なのかは分からないが、北山はグループの前身である「Kis-My-Ft.」時代から長く中心メンバーのひとりとして活躍してきただけに、「卒業シングル」が限定販売という扱いに疑問を抱くファンのほうが多いようだ。

 

Kis-My-Ft2は、6月28日放送のテレビ東京系『テレ東音楽祭2023夏』や7月1日放送の日本テレビ系『THE MUSIC DAY 2023』への出演が決定しており、本来であればそうした場で「ともに」を披露してPRする可能性もあるが、限定販売となるとそれもどうなるかは不透明。
創業者の性加害問題への対応の不十分さや人気メンバーの退所が相次いだことでジャニー事務所は評判が急落しているが、北山の退所前最後のシングルの発売方法においても物議を醸してしまった。