東北楽天ゴールデンイーグルス・田中将大が土俵際に追い込まれている。
田中は2006年に楽天に入団。
1年目からローテーション入りを果たしただけでなく、11勝を挙げて新人王に輝くなど華々しいプロデビューを飾った。
2013年には開幕24連勝で楽天の日本一に貢献し、同年オフに念願のメジャーリーグ・ニューヨークヤンキースに移籍した。
しかしそこそこの活躍を見せたものの、アメリカでは思うような契約が提示されず、2021年に楽天に復帰。
8年ぶりの日本球界復帰とあって、当時は推定年俸9億円と日本球団史上最高の評価を受けて大きな話題となったが、復帰1年目は4勝9敗、2年目を迎えた昨年は9勝したものの自身初の2ケタ敗戦(12敗)と、全盛期からは遠く離れた成績に終わり、年俸も4億7500万円と削られた。
復帰3年目となる今年も、5月23日のオリックス戦で先発登板したが、5回途中までで10安打を浴び、今シーズンワーストタイの7失点で降板。
シーズントータルの成績も2勝3敗で防御率は4.37と全く振るわない。
「現時点で日米通算192勝。楽天球団生え抜き投手としては史上初の200勝まであとわずかで、球団もそこまでは面倒を見ることになる。
将来的には大事な監督候補でもあり、功労者としての扱いを受け続けるでしょう」(球団OB)
しかし、11月には35歳を迎える田中の去就は思ったよりも早く決するかもしれないという。
「年俸はもう一生分稼いだでしょうし、かといってモチベショーンを保つ優勝争いにもチームは絡めず、戦力補強も次々と裏目に出ている。
おまけにパ・リーグ最下位で25日には1・2軍の打撃コーチを配置転換するなど空気が悪い。
今年か来年、電撃引退を選ぶことも十分考えられるのではないか」(同)
球団は高額な年俸を払う見返りとして、1人1万8000円する田中将大個人のファンクラブ「マー君クラブ」(500人限定)や、田中を起用した企業から球場広告出稿などを得られるが……。
「ですが以前よりも威光が薄まっているとの話もあります。
そもそもチームが開幕から低迷したことで、5月20日・21日の土日に楽天モバイルパークでのロッテ戦は天候が良かったのにもかかわらず、観衆は1万人台後半で空席が目立っています。
楽天はそもそも親会社が携帯電話事業で巨額の投資を回収できておらず台所は火の車状態で、田中ばかりにかまってられない」(同)
かつては三木谷浩史オーナーのポケットマネーによる大型選手獲得に期待がかかったこともあったが、今は期待薄だ。
「同じ楽天グループで経営・運営するサッカーのヴィッセル神戸では、元バルセロナのアンドレス・イニエスタを2018年に当時Jリーグ史上最高額の推定年俸およそ30億円で呼び寄せたが、今季末までの契約満了を待たずにこの7月で退団。
背景には、チームの戦術変更や体力・コンディション的な問題で試合出場が激減したことにあるとみられるが、クラブが高額年俸を支払えないのではないか、との噂も絶えない」(サッカーライター)
楽天の野球の広告塔であった田中の去就は、チームの浮沈や球団の経営状況も相まって今後さらに注目を集めそうだ。