ヤンキーから刑事、不倫夫に医者。
どんな役でも見事に演じきり、若手随一の“カメレオン俳優”との評価もある鈴木伸之(30才)。
立て続けに話題作に出演中の彼だが、その最中、誰にも言えないトラブルを抱えていた──。

 

「彼女はいまも自分のお腹に宿した命が失われたという罪悪感に苛まれ、突然、塞ぎ込むことがあります。
彼女にとっては一生背負っていく“十字架”になってしまった」

 

思い詰めた表情でこう語るのは、「彼女」ことA子さんの友人Bさんだ。

 

現在、20代半ばのA子さんはかつて、いま最も旬な若手俳優のひとり、鈴木と親密な関係にあった。

「ちょうど2年ほど前にふたりは出会い、深い関係になりました。
ところが半年後には壮絶な別れを遂げます。
A子が鈴木さんの子供を妊娠したのですが‥‥その後、ふたりは関係を断ちました。
この一件がなければA子がこんなに憔悴することもなかったし、ふたりが疎遠になることもなかった。
もっと違った将来があったのかもしれません」(Bさん)

 

現在放送中のドラマ『忍者に結婚は難しい』(フジテレビ系)で主演の菜々緒の夫役を演じるほか、映画では『東京リベンジャーズ』(2021年7月公開)、『劇場版ラジエーションハウス』(2022年4月公開)など、立て続けにヒット作に出演してきた鈴木。

「185cmの長身に甘いマスク。
演技の評価は高く、昨年は歌手デビューも果たし、ますますファンが増えています」(芸能関係者)

 

その鈴木がA子さんと出会ったのは2021年の春頃。
当時A子さんはウェブ関係の仕事をしていたが、それだけでは生活が苦しく、飲食店でアルバイトをしていたという。
そこに客としてやってきた鈴木と知り合った。

「鈴木さんは芸能人なのに飾ったところがなく好印象だったそうです。
連絡先を交換し、そこから密にやり取りが始まりました」(Bさん・以下同)

 

お互いに犬好きなどの共通点もあり意気投合。
友人らを交えた“ゴルフデート”の後、A子さんは鈴木の自宅に誘われたという。

「この頃、A子は鈴木さんに好意を抱き始めていました。
彼の自宅で“かわいいね”や“いい子でよかったよ”と言われて舞い上がってしまった部分もあったようですが、お酒の酔いに任せてとかではなく、自然な形で男女の関係になったそうです」

 

その後、鈴木からは頻繁に「会いたい」などの連絡が来るようになったという。
毎週のように彼の自宅に誘われ、逢瀬を繰り返すうちにA子さんの気持ちはどんどん鈴木へと傾いていった。

「彼は行為が終わった後すぐ帰すようなことはせず、“おれが出かけた後でも、このまま家で寝てていいよ”と言ってくれたりと、A子に対し優しい言葉をかけてくれたといいます。
当時、鈴木さんは恋人はいないと言っていたこともあり、A子は“自分に好意を持ってくれているのかもしれない”と期待するようになっていたんです」

 

ある日、彼女は意を決して彼に「恋人関係になりたい」と打ち明けたという。
しかし、鈴木から返ってきたのは「仕事柄、つきあうのは難しい」という一言だった。

 

まったくの予想外ではなかった言葉だが、A子さんのショックは小さくなかった。
鈴木はその後も変わらずに誘ってきたが、A子さんは予定があるなどと嘘をついてしばらく誘いを断っていた。

「真剣につきあえないなら身を引こう」

当時、A子さんはそんな思いを友人にこぼしていた。

 

それから3か月後の8月上旬。
鈴木から「全然会えないね。会いたいよ」という連絡が来た。
まだ彼に未練が残っていたA子さんは、期間があいても誘ってくれたことがうれしく、その日の夜、鈴木の自宅へと向かった。

「結果的にこの日、妊娠してしまったようです。
A子にはほかに関係があった男性はいなかったので、彼しか考えられませんでした」

 

8月下旬に妊娠検査薬で陽性反応を確認すると、A子さんの頭の中で「でも、私は恋人じゃない」がリフレインした。
悩んだ挙げ句、鈴木に電話をかけた。

「当初、彼は“本当におれの子なの?”と聞いてきたそうで、A子はショックを受けたのですが、そこから毎日のように電話で話したそうです。
鈴木さんとA子が仕事のことや故郷のことなどをじっくり話すようになり、いまさらですが、“友人以上”にお互いをよく知ることができたと実感した時期でもありました」

 

子供ができたことで鈴木との関係が進展したと感じたA子さんだが、非情な現実が突き付けられる。

「当初、A子は産むことを考えていました。
産婦人科に通い、エコー写真を見ていくうちに母になる覚悟が芽生えていったのでしょう。
でも、鈴木さんにはその考えはなかった。
“産んでも認知はできない”、“その子のことを考えると堕ろすしかない”などと言われたそうです。
非情なように聞こえますが、実際、外でデートできるような恋人関係でもなかったですし……
A子はずっと泣いていました。
人気作品に出演していたとはいえ当時は主演作も少なく、俳優として成長過程にあった鈴木さんが、父親になることが想像できなかった、というのもあるのでしょう」

 

彼女も産むことが現実的ではないとわかっていながらも決断できずにいた。

「実は同じ時期に彼女の妹も妊娠していたんです。
2人ともツワリがひどくて励まし合っていたけど、妹は産むことができるのに自分は産めないという現実があまりにもつらかった。
ちょうど鈴木さんはドラマの撮影中でそばにもいてくれない……
つらさと孤独の中で“堕ろすしかないのか”と絶望していたようです」

 

鈴木との会話でも口論になることが増えていった。
精神的にも肉体的にも不安定になるA子さんを、鈴木はサポートしきれなかった。
結局、A子さんは病院でひとり、堕胎手術を受けた。

「鈴木さんからは金銭面を含めた彼なりのフォローはあったようです。
でも彼女の心や体の傷まではカバーできなかった。
彼女は中絶後も後悔で突然泣き出したり、吐いたりと苦しんでいたけど、そのことは彼は知らないでしょう。
もちろん鈴木さんひとりだけが悪いなんてことはない。
中絶は悩んで苦しんでふたりで出した結論ですから。
ただ、一度は体の中に命を授かった女性と、そうじゃない男性とでは感覚が全然違う。
中絶をする前は、“今後も友達としてつきあっていこう”と話していたようですが、結局もう連絡は取っていないようです」

 

A子さんに現在の思いを聞くため、電話で彼女に連絡を取ったが、「私は何も話せません」と言うのみだった。

 

一方の鈴木は、本人の代理人弁護士がこう答えた。

「お互い将来について考え話し合ったこととはいえ、このような結果になったことについては、責任ある大人として心より申し訳なく思っていますし、A子さんにも謝罪致しました。
鈴木氏はA子さんに寄り添う気持ちでできる範囲で誠実に対応し、最終的には本件は当事者限りで解決することを前提に、双方とも充分に理解、納得した上で解決に至ったものです」

 

慟哭の過去からどうしたら立ち直れるのか。
ふたりの胸には同じ記憶と思いが刻まれている。