“戦略”の意図はまったくなかったようだ。

 

坂口健太郎が日本テレビ系の連続ドラマに2クール続けて主演することが24日に発表された。
4月期は土曜よる10時~放送の医療エンターテインメントで「クールな元医者」を、7月期は日曜よる10時30分~放送のクライムサスペンスで「クールな刑事役」を演じるという。
後者は系列の読売テレビが制作する。
日本テレビ・読売テレビ側は「坂口健太郎、2クール、2COOL」というキャッチコピーでプロモーションしている。

 

「西島秀俊や田中圭も連続出演したことがありましたが、単独主演で2作連続、しかもどちらも同じ局の放送でゴールデンタイムとなると、前例がないのでは。
しかし、連続主演は後で放送する作品のほうは直前の作品の役のイメージが残ってしまう懸念もあるだけに、本来であれば少し間を開けるのがセオリー。
それもどちらもクールな役どころとなると、坂口のハードルは上がるばかり。
同じ日テレでの放送とはいえ、別会社制作ですし、それぞれセールスの仕方も違いますが、観る側が頭の切り替えをしてくれるかどうか……」(テレビ誌ライター)

 

坂口は
「両方ともとっても魅力的だったので、どちらも演じたいと思いました。もうあとは波に乗っかるしかない」
と意気込んでいるが、
ネット上では
「坂口さんは演技力があり楽しみです」
「日テレと言えば今までジャニーズばかりが主演だったけど、忖度なくなってきたのか、いいことですね」
と歓迎の声が上がる一方で、
「なんで同じ人を使い回すのか疑問」
「もっと俳優はいっぱいいるのだから、いろいろ発掘してほしい」
「同じ局で続くなんて、何の力が働くとこうなるの?」
と首をかしげる人も少なくない。

 

しかしこれは狙ったものではなかったようだ。
テレビ関係者が内情をこう明かす。

 

「日テレの“英断”と評しているメディアもありましたが、単に連携が取れていなかっただけ。
編成が激怒し、険悪な関係になっているとも聞きます」

 

ただ、日本テレビ側には背に腹は代えられない事情があったとの噂も……。

 

「4月期の土曜ドラマのほうについては、当初King & Princeの平野紫耀主演で企画されていたといいます。
ご存知のとおり、平野は今年5月にジャニーズ事務所を退所するため、別の俳優を用意する必要があったが、永瀬廉やSnow Manの目黒蓮といった事務所がいま押しているジャニーズ俳優はいずれもスケジュールNGで、他事務所にということになった……という話も聞こえてきます」(芸能記者)

 

当然、神経質になっているのが読売テレビだ。

 

「どちらも謳い文句が『予測不能な医療エンターテインメント』『息もつかせぬクライムサスペンス』となっていますが、おそらくいずれも、近年増えている、展開が早くて視聴者に“考察”させるタイプの作品を考えていたはず。
似たような役柄、似たような作風となれば、後に放送されるほうは飽きられる可能性も高い」(前出・テレビ誌ライター)

 

さらに、読売テレビ制作の日曜ドラマは“失敗”が続いている。

 

「現在放送中の『ブラッシュアップライフ』は好評ですが、こちらは日テレ制作。一方、読売テレビ制作は2021年7月期の『ボクの殺意が恋をした』は世帯視聴率の全話平均が5.33%に終わり、同枠のワースト記録を樹立。
さらに2022年7月期の『新・信長公記~クラスメートは戦国武将~』にいたっては、最高視聴率は初回の6.1%、全話平均4.37%で、日曜ドラマのワースト記録を大幅に更新しただけでなく、今世紀の日テレドラマのワースト記録を打ち立ててしまいました。

 

これで坂口主演のものまでコケると、読売テレビは3作連続の“失敗”となる。
なんとか盛り返したいところでこの2期連続主演なので、編成は頭を抱えているようです。
日テレ制作の医療ドラマのほうに大ヒットしてもらって、その余波で盛り上がってくれることを祈っているでしょうね」(前出・テレビ関係者)

 

坂口としては俳優としての株を上げるチャンスともなりそうだが、はたして……。