日本を代表する女優、山本陽子(やまもと・ようこ=本名同じ)さんが20日に病気のため静岡・熱海市内の病院で死去したことが21日、分かった。81歳だった。

 

若い頃から美貌と確かな演技力で人気に。
今月2日にはテレビ出演し、晩年も仕事への意欲を見せていたばかりだった。
葬儀・告別式は身内で行うとみられ、突然の訃報に周囲は驚きと悲しみに包まれている。

 

品のある凛とした美しさと妖艶な色香で多くのファンを魅了し、清楚な役も悪女役もこなしたスター女優がひっそりと他界した。

 

複数の関係者によると、亡くなった日は20日。
また21日早朝との情報もあり、突然の訃報に周囲は驚いている。
山本さんは70歳を機に東京から熱海市に移住しており、双子のように仲の良かった実の姉が昨年春頃に死去。
その後、気落ちすることも多かったが、仕事への意欲は衰えなかった。

 

今月2日に放送されたテレビ朝日系トーク番組「徹子の部屋」に映画会社、日活のスター同士だった俳優、高橋英樹(80)と出演。
昨年に芸能生活60周年を迎え「健康である限り、いろんな役に挑戦したい」と宣言。
4月に舞台出演する予定もあった。

 

東京・中野区出身。
國學院高を卒業後、野村證券に勤めたが、1963年に知人が日活に山本さんの応募書類を送り、「面白そうね」と受験したところ見事に合格。
第7期日活ニューフェースとして芸能界入りした。

 

その頃、日活では浅丘ルリ子(83)が人気絶頂。
吉永小百合(78)、松原智恵子(79)、和泉雅子(76)が「日活三人娘」として活躍し、山本さんは端役どまりだった。
しかし、高橋の相手役として64年の映画「抜き射ちの竜 拳銃の歌」で本格デビューし頭角を現した。

 

当時、映画からテレビに活躍の場を移すのは「格落ち」と言われたが、気にせずドラマ「七人の孫」「白い滑走路」に出演して注目の存在に。
嫁姑の確執を描いたドラマ「となりの芝生」で人気に火が付いた。

 

舞台は71年に森光子さん主演の「放浪記」が初出演作。
80年の「花埋み」で初主演し、作家、故宇野千代さんの小説が原作の「おはん」なども代表作で、94年に菊田一夫演劇賞を受賞した。

 

90年度後期のNHK連続テレビ小説「京、ふたり」は畠田理恵(53)とダブル主演。
山本海苔店のCMキャラクターを長年務め、2010年には42年という専属タレント契約の世界最長記録としてギネス認定された。

 

若い頃、熱愛が報じられた俳優、田宮二郎さん(享年43)は78年に死去。
交際宣言した21歳下の俳優、沖田浩之さん(享年36)は99年に急死し、生涯独身を通した。

 

和服が似合う一方、運転好きのカーマニアで男まさりとも言われた。
麻雀が趣味で酒も好きだった美人女優は、昭和の強い女性を体現していた。

 

 

山本 陽子(やまもと・ようこ)
1942(昭和17)年3月17日、東京都生まれ。
日活ニューフェースとして芸能界入り。
64年「拳銃の歌」でデビューし、「八つ墓村」など映画に多数出演後、テレビドラマに進出。
代表作は「七人の孫」などで高視聴率女優として揺るぎない地位を確立。
94年の舞台「おはん」は上演回数400回以上を記録している。
趣味はテニス、乗馬、日本画など。

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